尖足(せんそく)を作らない!【vol.003】

「尖足」は「せんそく」と読みます。

話題の尖閣諸島の「尖」ですね^^

とがった足と書いて「尖足」。
見た目そのままなので、頭の中に絵が浮かぶと思います。

バレリーナが爪先を立てて立つ足みたいに
足首が伸びている足です。

足首が伸びきったまま固まった足を「尖足」と言います。

尖足は寝たきりをつくり、介護負担を増大させます。
今回は、尖足にならないために注意すべき点についてまとめます。

◆尖足になるとどうなる?
—————————

尖足になると足首が曲がりません。
足底を地面につけて体重を乗せることができなくなります。

つまり、立てない、歩けない、ようになります。
椅子や車いすに座ることも困難になります。

頭もはっきりしていて、
多少は身体が動かせる方でも

尖足になると、横になっている時間が増え
廃用が進み、寝たきりを早めてしまいます。

また、尖足は介助の負担を大きくします。

足底を床に付けての介助方法が一切できなくなるので
抱えたり、持ち上げたりする介助をするようになります。

介助者の身体的負担は相当なものとなり
腰痛の危機にさらされます。

だから尖足を作らない、これに尽きます。

◆尖足を作らないために注意すること
————————————

介護ベッドを使用するようになったら
尖足にならないよう日頃から注意しましょう。

大したことではありません。
次の三点を気に掛けて下さい。

●掛け布団は重すぎないか。
●背抜き・尻抜き・かかと抜きをしているか。
●足首の曲げ伸ばし運動をしているか。

掛け布団の重量は注意が必要です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

毛布、タオルケット、掛け布団を重ね掛けする光景を良く見ますが
重ね過ぎは良くありません。

掛けたものの重みで足首が伸ばされます。
その時間が長く続くと尖足の引き金になります。

どうしても重ね掛けをする時は
直接足の甲に重みがかからないよう囲いを作るなど工夫が必要です。

羽毛布団のように軽く保温性の高い掛け布団が望ましいですね。

背抜き・尻抜き・かかと抜きをしましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
特にかかと抜きを忘れないでください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

電動ベッドで背上げをすると、下半身が足側に押し出され
かかとがマットレスに引っ掛かり、足首が伸ばされます。

これを放置しておくと、かかとの床ずれを作り、尖足を作ります。

背上げが終わったら、体がマットレス上を動いたために
摩擦で生じた皮膚の突っ張り感を取り除きましょう。

上半身部を軽く起こしてマットレスから離して「背抜き」
腰部・お尻部・大腿部をマットレスから離して「尻抜き」
下肢・かかと部をマットレスから離して「かかと抜き」

寝てる方が自分で身体を動かすことが少なくなったら
介助者がやりましょう。

これら以上に大切なことは、足首を動かすこと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

足首の曲げ伸ばし運動を強制的に行えば良いのですが、
日常生活の、立つ、座る、で十分関節の曲げ伸ばしができます。
ベッドにへばりつかないよう引き離すことが重要です。

仰臥位で寝ている時も、足底にクッションなどを当てて
足首が直角に曲がっているように保持することも有効です。

その際は、つま先に掛け布団の重みが掛からないよう注意しましょう。

尖足は寝たきりをつくり、介護負担を増大させます。
作らないのが一番。

Follow me!