「背抜き」が教科書に載ってない【vol.013】

2008年4月、床ずれ予防セミナーの席で
ヘルパーさん10人に「背抜き」をしてるか質問したら
「してる」と答えたのは一人でした。

あれから4年…、

2012年6月、介護施設で背抜きの勉強会(参加者約30人)をした際
背抜きを知らないスタッフが約半数。

2012年11月、ヘルパーさんを対象とした介護技術講習会で訊いたら
背抜きを知らない方が8分の5人、いました。

5人の方は、ヘルパー資格取得講習で
背抜きを教わらなかった、と言います。

手元にあった、2007年版、ニ○イさんのヘルパー2級のテキスト
を確認しましたが確かにどこにも載ってない。

このメルマガを書いてる途中で本屋さんに行って確認しました。

介護福祉士の試験対策本に背抜きはどこにもない。
看護師試験対策本にもない。

床ずれ・じょくそうの専門書には載っていましたが内容は70点。

介護技術の教則本三冊あった内、一冊だけ載ってました。
しかし内容は50点とお粗末。伝えなきゃいけない事が書かれてない。

これでは現場が知らなくて当たり前。
教わってないし、教える方も正しく伝えていない。

教科書や参考書からしてこの状態…。

んー「背抜き」は大して重要じゃないんだな。

「背抜き、背抜き、背抜きが大事!
背抜きは、背抜き+尻抜き+かかと抜き、三つセットだよ~!
中でも尻抜きは絶対忘れないでねー!」

って騒いでるのは私ぐらいかも(苦笑)

背抜きのエビデンス(=科学的根拠)があれば良いのかも。

話は変わりますが

当店ホームページに辿り着いた方を見ると
「背抜き+●●」を検索ワードに訪問している方が多いですね。

例えば、こんな組み合わせです。

「背抜き 介護」
「背抜き 看護」
「背抜き 体位変換」
「背抜き ギャチアップ」
「背抜き 体験談」
「背抜き 意味」
「背抜き じょくそう」
「背抜き 根拠」
「背抜き 効果」
「背抜き なぜするのか」
「背抜き 除圧」
「背抜き 必要性」
「背抜き ベッド」
「背抜き 背上げ」
「背抜き エアマット」
「背抜き 誤嚥」
「背抜き 手順」
「背抜き コツ」
「背抜き 足抜き」
「背抜き 目的」
「背抜き やり方」
「背抜き ポイント」
「背抜き 理由」
「背抜き 定義」
「背抜き 車いす」

このワードで訪れた方は、商品ではなく、情報を探しています。

ウェブ解析ツールによれば、ほとんどが第4回介護Webゼミを訪問し
ほぼ全文を読んだであろうことが平均滞在時間から推測できます。

検索ワードから二つの傾向が見えます。

・背抜きの方法を知りたがっている人。
・背抜きが何かを知りたがっている人。

このページへの訪問件数は先月11月は1,223件。
しかも、訪問件数は毎月増加しています。

「背抜き」が広がり始めているのを感じます。

恐らく現場かどこかで「背抜き」を聞いたか見て
ネット検索して調べてるのかな。

背抜きしたからと言って、
必ず床ずれが予防できるとは言い切れない。
かえって介助者の手間が増えるだけかもしれません。

はっきりわかるのは、背抜きされた人は気持ちいいし
楽になって、誤嚥が予防できること、ぐらいでしょうか。
ちょっと苦しいけど、ベッド上の長座位姿勢の崩れ具合が遅くなる。

それだけのために「背抜き」をするのは無理か…?

健康な人は当たり前に自分でしてることです。

寝る時、布団に入ったらパジャマのめくれを直したり
身体をもぞもぞ動かして心地いいポジションにしたり

椅子に座ったら、座り直して

服を着ればシャツの袖口を引っ張ったり
下着の食い込みを直したり

これらの動作の本質は「背抜き」と同じ。
心地よい、楽な状態を自分で作っている。

意識しないで当たり前にしてる行為です。

背抜きが自分でできなくなった人に
介助者が手を貸して背抜きを支援する。
それが当たり前だから。

背抜きをする理由ってこれだけです。

背抜きをされて、気持ち良くなって、楽になるから
・床ずれ発生リスクが下がって
・誤嚥が防げて
・姿勢の崩れが遅くなって
・ありがとうと感謝したくなる

学校の教科書に乗せて欲しいなぁー。

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