電話応対は受話器を戻すその瞬間を大切に。【vol.038】
電話応対について取り上げます。
電話応対では対面以上に
自分の「素」が相手に伝わります。
このことは決して忘れてはいけません。
その前に「躾」について少々。
身を美しく、と書いて躾(しつけ)。
躾はその人の所作に現れますね。
●子供時代に身につけるべき三つの躾とは?
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教育学者の森信三氏は
子供の頃に身に付ける躾はこの三つ、と言い切っています。
・親に呼ばれたら「はい」と答える
・席を立ったら椅子を机に戻す
・脱いだ履物をきちんと揃える
子供は大人の言うことではなく、していることをマネします。
できない子が多いとなれば、それは
大人がしてないから、となります。
自分の胸に手を当ててみて
市役所で、病院で、銀行で、名前を呼ばれて返事をしているか…。
飲食店で、喫茶店で、会社で、席を立ったら椅子を戻しているか…。
脱いだ靴を揃えているか…。
接遇と仰々しく構える前に
この三つをする大人でありたいですね。
●電話応対で大事となる7項目
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電話は相手に伝わる情報が声だけです。
話している本人にそのつもりがなくても
声のトーンや口調、それに態度で、
時に不快な印象を相手に与えてしまいます。
電話の応対は、接遇としては対面以上に
高いスキルが必要だと思っています。
電話を受ける対応で大事な点を7つ、挙げます。
1)コール三回以内でとる
2)声のトーンを普段より少し上げて話す
3)電話を取った自分の名前を最初と最後に2回名乗る
4)言葉ははっきり・ゆっくり話す
5)メモをとりつつ用件を復唱確認する
6)相手より後に電話を切る
7)電話を手で切った後に受話器をそっと戻す
1番は、その方が相手が嬉しいからです。
2番は、その方が感じ良く聞えるからです。
3番は、相手の方が安心するからです。
「あなたのご用件は確かに○○が承りました。」と
責任の所在を明言する意味合いがあります。
4番は、相手が聴き取りやすいからです。
5番は、受け手がとるべき行動をはっきりさせるためです。
6番は、相手に感謝の気持ちを伝えるためです。
6番を実行していると、こんな経験をすることがあります。
今の今まで、素晴らしい電話対応を見せてくれた方が
話が終わると「ガチャン!」と凄い音。
受話器を置く音は相手にしっかり聞こえています。
後味の悪さだけが残り、全てが台無しです。
だから相手より後に電話を切るんじゃありませんよ。
感謝の心を込めて、です。勘違いなさらずに^^
●受話器を置くその瞬間、あなたは見られています。
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1番から6番まではできて当たり前です。
お客様に対してすることですから、誰でも気を遣います。
なかなかできないのが7番目。
7番は、周りへの気遣いからです。
手で静かに電話を切る。
受話器で電話を切らない。
受話器をそっと戻す。
あなたは周りの同僚・上司からも見られていることを
忘れてはいませんか?
来客中のお客様や取引先の方がいたら
その方たちにもしっかりと見られているんですよ。
乱暴な扱いを残念に感じている方が必ずいます。
不快だと思っているかも知れません。
それに、
あなたの普段の態度と電話を切る時の態度
そのギャップに他人はどう感じているか考えてみてください。
電話を切る時の態度が本当のあなただと思うはずです。
一時が万事です。
最後まで気を抜かずに締めて終わりましょう。
意識しなくても「している」ようになるまで。