介護職のコミュニケーションのヒントは店員さんの接客にあり【vol.043】

新人スタッフがいよいよ現場に出る時の悩みは、
未熟な技術もさることながら、

利用者さんとのコミュニケーションの取り方がわからない、
と言うこのがあります。

私は、ショップ店員さんの接客にみられる
お客様が商品・サービスを購入するプロセスには

介護職のコミュニケーションの取り方のヒントが
たくさん詰まっているな~、と思って観ています。

今回は、コミュニケーションの取り方に悩む、
介護職の方のお役に立てばと思い、まとめました。

─お客様の「購買心理の8段階」に沿って対応する。

これがショップ店員さんが行っていること。
接客の「型」があって、それに沿って行動しているんです。

この型を用いると売上げの再現性が高くなります。

つまり、技術が未熟でも
売上げを上げやすくなります。

コミュニケーションを取るには
おしゃべりになれば良いのではありません。
雑談や世間話が上手になれば良いわけでもありません。

・相手のペースに合わせ
・必要なタイミングで
・必要な言葉を投げかける。

この3つをすることです。

一から会話を組み立てるのは新人さんには難しいですね。
だから「型」があります。

ショップ店員さんが一体どんなことをしているのか、
ご紹介しますね。

●購買心理の8段階とは?
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お客様が商品・サービスを購入するに至るまでの
心理状態の移り変わりを8つの段階に分けたものです。

各段階の英語の頭文字を取って
AIDMAの法則(アイドマの法則)と呼んだりします。

お客様の心理状態が分かると
掛ける言葉が違ってきます。

先ずは『購買心理の8段階』をご説明します。

洋服を購入するケースを例にして
お客様の心理状態が変化するプロセスを追ってみましょう。

─ここから─

お店に入ります。

店内をぶらぶらします。

ふと、ある商品に目が留まりました。
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1注目 Attention
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「(んっ?)」
かわいいな、色がきれいだな、
ちょっとしたことに注目した段階です。
お客様はアラサーの女性OLさんだとします^^

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2興味 Interest
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「(素敵なデザインだわ。)」
手で触ったり、値札で価格を確認し始めました。
その服に興味をしめしている段階です。

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3連想
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「(似合うかな…。今度のデートにどうかな…。)」
服を当ててみたり、なにか考え事をしている様子がうかがえます。
服の使い道や、手持ちの服との組み合わせなどを連想している段階です。

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4欲求 Desire
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「(欲しいな…これ)」
店員さんの話を聞いても、これは良さそうだと思い
いよいよ欲求が高まっている段階です。

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5比較検討
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「(待てよ!早まるな…、落ち着け落ち着け、
他にも良い服があるかも知れない。他も見てみよう。)」
自分の選んだ服が最適かどうか、確かめたくなっています。
他にもっと良いものがあるのではないかと比較検討を始める段階です。

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6信頼 Memory
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「(やっぱり、これがいいわ)」
色々と比較検討をして自分の選択に間違いがない理由を見つけた状態です。
これを買うのが正しい決断だと信頼する段階です。

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7購買決定 Action
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「(これに決めた!)これ下さい!」
購入します、の意思表示をする購買決定の段階です。

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8満足
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店員さんに見送られてお店を後にする時の気持ちです。
「(いい服買えたー!、良かった―^^)」

─ここまで─

お客様の心はこのようなプロセスを経ていると言われます。

カリスマ店員さんは、このプロセスに適した
態度や言葉を投げかけています。

逆の見方をすれば、
お客様はこの流れに乗せられて買った、のかも知れません。
素晴らしい接客には、時にそう感じることがあります。

●ショップ店員さんの対応とは?
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ショップ店員さんが8段階ごとに取るべき行動が
次の10段階と言われます。

1待機して観察する
2アプローチを掛ける
3商品を提示する
4説明する
5売買を成立させる
6代金を受け取る
7レジに入金する
8つり銭を渡す
9商品を渡す
10お客様を見送る

ショップ店員さんはお店に入ってきたお客様の行動を
しばらくは観察しています。

お店に入るなり
「いらっしゃいませ、こんにちは。何かお探しですか?」
とは言いません。

商品を陳列したり、事務作業をしたり、
何か他のことをしながら観察しています。

この時、店員さんは
お客様の行動から情報を集めています。

買う気のない、見てるだけ―のお客様もいらっしゃいますが
それでもよーく観察しています。

それは、買い物をする人のほとんどが
店頭で買う物を決定しているからです。

商品の見せ方次第、接客の仕方次第で、
どんなお客様にも売れることを知っています。

そして、興味もしくは連想の段階のそぶりが続いた瞬間
上手いタイミングで声を掛けてきます。例えば
「試着してみませんか?」

この段階で声をかけられたら
「○○号を探しているんですが、見当たらないようで…。」などと
答えてしまうのではないでしょうか。

多くの店員さんがアプローチの段階で
尻ごみするか、お客様をより好みしてしまいます。

結果を出している店員さんに共通の行動は
お客様を選ばず、そのタイミングで
声を掛け続けていること。

初めから「売ろう!」とは思っていない点です。

そして、相談相手に徹します。

声を掛けた時のお客様の反応を見ながら一旦引いたり、

お客様に受け入れられたな、と感じたら
その後も流れに沿って
ドンドンお客様の本音を引き出して行きます。

何のために、
どんな物を、
いつまでに、
探しているかが分かれば

お客様の具体的な「欲しい服」がわかるので
おすすめの服が絞り込めます。

お話しをうかがい、商品を何点かお見せして
探り探りで確認していきます。

3つくらい提示してみます。
多く提示するとお客様は決められなくなります。
そして選択肢を絞って行きます。

最終的に一つになったら
後は「買う」の一言を待つわけですが、
お客様はなかなか「買う」とは言ってくれません。

そこで店員さんは試しに
「これに決めてはいかがですか?」と
決定を促す言葉を掛けます。

これを業界用語で「クロージング」と言います。

クロージングは、途中の段階でも使います。

お客様の反応を確かめるため、
仮のクロージングを仕掛けてみるのです。

これに対する反応で商品を絞り込んでいきます。

結果、購入に至らない場合もあります。

お客様の本当の気持ちが汲みとれてなかったり
お客様の望む商品がない時など
そうなる確率は高くなります。

しかし、これはこれでお客様の声として
ショップの大事なデータになります。

何かしらの疑問点をお客様が抱いているのに
売り付けたりしません。

最後のお見送りです。

お客様をお見送りした後、
すぐに別のお客様に声を掛けることはしません。

振り返ったお客様がそんな自分を目にしたら
どう思うか、知っているからです。

店員さんは商品を売っているのではありません。
そうした店員さんが多いのも事実ですが(苦笑)

お客様が商品を使って「体験すること」を売っています。
小売業の面白さはここにあります。

以上、いかがでしたか?
最後の方は自分で悦に入ってしまい、失礼しました^^

敢えて介護職との関係性には触れずに書きました。

これを読んで下さったあなたなら
「これとこれは共通だな。」と、きっと
感じ取っていただけたと思います。

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