熱い風呂。次第に熱さを感じにくくなる理由【vol.072】

熱ーいお風呂に入って、しばらく我慢してると
慣れるというか、熱さを感じなくなりますよね。

だけど、体を動かすと、また熱さを感じますね。

これって、何でなんだ?
ずっと不思議に思っていました。

この時期(冬の1月)、外にいても

風のない日は暖かく感じ
風のある日は寒く感じます。

これもどうして?

だって、おんなじ気温ですよ?

風の温度だけ低いわけじゃないのに…、どうして寒い?

夏なんか

クーラーなしの部屋にいると暑いですよね~
それでも扇風機の風に当たると少しは涼しく感じます。

なんか不思議。

こんなことで悩む人なんて
いないのかな(笑)

●缶ビールを回すと早く冷える?
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そんな時
缶ビールを回してすぐ冷やす
と言う道具があることを知りました。

使ったことありますか?

私はないです(笑)

何で缶ビール回すと冷えるのが早くなるの?

そう思って理由を調べたら

熱いお風呂に慣れるのも
風のある日が寒いのも
扇風機の風を涼しく感じるのも

ぜーんぶ、同じ理由らしいのです。

●【熱交換】
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熱交換とは

物体が触れあった時に
物体どうしの温度差が大きいと、素早く熱の交換がされ
温度差が小さいと、熱の交換率が下がる。

こんな性質。

例えば

37度の体温に、42℃のお湯が触れると
温度差は5度ありますね。

熱は、熱い方から冷たい方へ伝わるので

体にお湯の温度が素早く移ってきて
「熱い!」と感じるわけですね。

ところが、

しばらくお湯に浸かってじっとしてると
熱く感じなくなる。

これは、体の表面に薄い【境界層】が出来るから、らしい。

●【境界層】?
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境界層は体の表面を覆う、うすーい膜のようなもの。

42度のお湯が体に触れると
お湯から体へ、熱が移る熱交換が起こります。

すると体に近いお湯の温度が少し下がるんですね。

例えば、39度とかに。

この39度に下がったお湯の薄い膜、これが境界層。

そうなると

体と境界層との温度差は
39℃-37度で、2度になります。

始めは温度差が5度あったから
盛んに熱が体に移っていきましたが

温度差が2度になると熱交換率が下がり
境界層から体に熱が伝わりにくくなります。

だから、熱いお湯が熱く感じなくなる。

お湯⇒体、だった熱の伝わり方が、今度は
お湯⇒境界層⇒体、となります。

お湯と境界層の温度差は、3度

ここでも熱交換率が下がるので
お湯の熱が境界層に伝わりにくくなってる。

お湯⇒境界層への熱も伝わりにくくなり
境界層⇒体への熱も伝わりにくくなり

二重に熱が伝わりにくくなってる。

こんな理由から、熱さを感じにくくなる
という訳です。

お湯の中で体動かすと、また熱く感じるのは
体の表面を覆っていた境界層がなくなるため。

また、お湯と体の温度差が6度になってしまうので
熱が伝わりやすくなり、熱く感じるんです。

●風のある日が寒いのは?扇風機の風を涼しく感じるのは?
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気温が低い日でも風がないと暖かく感じ
風が吹くと寒く感じるのも

体の表面にできた境界層が
風で飛ばされるからなんです。

お風呂とは逆で、熱交換は
体⇒境界層⇒外気へと移ります。

外気温が5度だったら
温度差が37度-5℃で、32度です。

これだけ温度差があれば
あという間に熱が奪われ、寒いわけです。

ここに25℃の境界層があったら
体⇒境界層の温度差は12度になります。

初めよりはだいぶ暖かくなりますよね^^

セーター1枚着ただけで暖かくなりますよね。

これも原理は同じで

セーターの中に境界層に似た空気の層が出来
温度差を小さくします。

体⇒境界層⇒セーター⇒外気となって

また一つ熱が伝わりにくくなります。

でも、風がビューッと当たるとセーターは風を通すので
セーターの空気の層(境界層)が失われ寒くなるんです。

缶ビールを回転させのは
ビールと冷やすものの間にできる
境界層をなくすためだったんです。

室温が高くても扇風機の風が当たると涼しく感じるのも
体の表面の境界層が風で飛ばされ

体の熱が空気に移りやすくなるから。

これは、室温が体温より低い場合ね^^

ここまで、なんでこんな話をしたかと言いますと

ちょっと

気になることがあるからです。

次回はその話をしたいと思います。

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