拘縮について【vol.091】
「拘縮」について考えてみます。
ポジショニングの目的でもあったりする
拘縮の緩和や改善ですが、
(なる前に予防しましょうね^^)
そもそも拘縮について
理解してなかったな…、と思い立ち
調べてみることに。
拘縮は関節の可動域が
正常な状態と比較して制限されている状態です。
可動域が狭くなっている
と言うことですよね。
▼拘縮には「伸展拘縮」と「屈曲拘縮」があります。
☆伸展拘縮は、
関節を伸展させようとする拘縮
関節を開く(伸展)させてしてしまうので
関節を曲げる(屈曲)させることを制限します。
☆屈曲拘縮は、この逆で、
関節を屈曲させようとする拘縮
関節を曲げる(屈曲)させてしまうので
関節を開く(伸展)させることを制限します。
▼「拘縮」とは、
関節可動域が制限されている原因が
関節包外の軟部組織にある状態を指します。
軟部組織は、靭帯、筋肉、皮下組織、皮膚ですね。
これらのどこかに不具合が発生して
結果的に関節の動きが制限される
これが拘縮です。
改めて整理が出来ました。
どこの不具合で拘縮に至ったか、
それぞれ発生理由の異なる拘縮があります。
それゆえに
発生原因の違い別に拘縮のタイプを分けています。
▼拘縮の4タイプ
1)皮膚性拘縮
2)結合組織性拘縮
3)筋性拘縮
4)神経性拘縮
この4種類。
一つずつ見ていきましょう。
▼1)皮膚性拘縮
これは皮膚に原因があるタイプ。
皮膚が関節の動きを妨げると言えば
皮膚のしなやかさが失われた時
または、皮膚自体が縮んでしまった時
火傷や大きな傷を負ったりするとなりますね。
治癒後、皮膚が突っ張り
関節の曲がりを制限することがあります。
▼2)結合組織性拘縮
先ず「結合組織」が何か、ですよね。
組織間をくっつけてつなぐもの、のこと。
(と言ってもみんなそうだから、今一よくわかんないよね^^)
結合組織は
皮下組織、靭帯、腱、腱膜を指していて
これらの病変が原因になってる拘縮のこと。
▼3)筋性拘縮
筋肉に原因のある拘縮ですね。
本来、筋肉は伸び縮みをします。
それが何かしらの理由で
ずっと関節の動きが固定されたままの状態でいると
筋肉の伸び縮みが出来なくなる問題を引き起こします。
手首・足首の骨折で
ギプスで一か月程度関節を固定すると
ギプスを外した後、しばらくは関節可動域制限がみられますよね。
高齢者の場合は長期臥床で
筋肉の廃用に伴う委縮・短縮による拘縮もありますね。
▼4)神経性拘縮
神経疾患に原因がある拘縮です。
脳血管疾患により麻痺が現れた時にみられます。
このタイプの拘縮は更に次の3つに分けられます。
・痙性(けいせい)拘縮
・弛緩性麻痺(しかんせいまひ)による拘縮
・反射性拘縮
3つについては細かく記しません。
自分で調べてみてね^^
ベッドで長期臥床により発生する拘縮は
3の「筋性拘縮」となりますね。
これに麻痺がある方は
神経性拘縮も合わさっていることになります。
で、ここからが本番です。
拘縮を勉強するのが目的ではありませんからね^^
手段ですよ手段。
筋性拘縮に対してどのように取り組めば
発生させずに済むのか、
どうしたら拘縮を緩和し改善できるのか
これが知りたいわけです。
イコール、それは
どんなポジショニングをするべきなのか、
体位変換をどう位置付ければいいのか、
ってことに繋がっていくわけですよね。
そのための前段階として
拘縮とは何かを今回は整理しました。
いよいよ次回
ポジショニングと体位変換に絡めて
まとめていきます。