手持ちの車いす用クッションに挿入する下敷き。
スリングシートのたわみを補正し、良い姿勢と元気な心を作ります。
お尻の横プレを抑え、体圧分散性と座位保持性を向上。
詳しい説明は、この後、ドラマ仕立てで説明します。ふざけてません。至って真面目です。
ここは、わくわく直観堂の事務所。
コンツァーベースという商品のことで草野店長とスタッフのさくらが揉めている。
■店長!こんなの売れるんですか?
さくら
「店長、何ですか、この黒い板・・・。
あらっ・・・?意外と軽くて硬いんですね・・・。」
草野店長
「コンツァーベースだよ。」
さくら
「何に使うんですか?
こんなの売れるんですか?」
草野店長
「こんなのって…さくら君(苦笑)
それに『売れる』じゃなくて、『売る』んだよ!」
さくら
「売るって言ったって、見たことないですよ~。」
草野店長
「確かにそうだろうな。
でもな、見たことないからって『売れないもの』ってなぜ言える?
世の中には、すごく良いものなのに全く知られてないものが沢山あるぞ。」
さくら
「例えば?」
草野店長
「例えばって・・・。ここで名前を出したらまずいだろ(笑)」
さくら
「上手く逃げましたね~。
で、これのどこが良いんですか?」」
草野店長
「座ってみればわかるよ。」
さくら
「店長!それって禁句ですよ。
使ってさえくれればわかるのになぁ・・・
とかって言うのは商人として売れない言い訳だって、
商品の価値を伝えるのが私たちの使命だっていつも言ってるじゃないですか。」
草野店長
「わかった、わかった・・・。」
さくら
「店長はどうしてこれを売りたいんですか・・・?」
草野店長
「んー・・・コンツァーベースを使ってもらって、
車いす利用者の心が元気になってくれたらいいな~、と思ってさ。」
■コンツァーベースは、利用者の心を元気にする
さくら
「心が元気に・・・ですか?どういうことです?」
草野店長
「気持ちが落ち込んでる時ってさ、
背中丸めて、肩を落として、うつむいて暗ーい表情してるだろ。
ハッピーな時はさ、顔上げて、笑顔で、意欲的で、胸張ってさ、
背筋伸ばして良い姿勢してるんだよね。
姿勢と心はつながってることが多くの実験からわかってるんだ。
姿勢が良いと、気分も明るく意欲的になり
姿勢が悪いと、気分が落ち込み、意欲が低下する。
うつになりやすいと言われてる。」
さくら
「そうかも知れませんね。わかります。
つまり、コンツァーベースは姿勢を良くする、
だから、利用者も元気になる、ってことですよね。」
草野店長
「正解!さっすがー(笑)」
さくら
「茶化さないでください!
じゃあ、コンツァーベースを使わないと姿勢が悪くなるんですか。」
草野店長
「うん、姿勢悪くなるよ。
スリングシートの車いす、座ったことあるでしょ?」
さくら
「ありますよ。」
草野店長
「掛け心地、どうだった?」
さくら
「そんなに良くはなかったような気がしますけど・・・」
草野店長
「姿勢は?」
■スリングシートは悪い?
草野店長
「スリングシート、
布を張って作った座面や背もたれのことだけど、
見かけるほとんどの車いすに
スリングシートが付いてるよね。
あれって
長い時間座るには良くないって僕は考えているんだ。」
さくら
「良くないって、
だって、車いすはスリングシートばっかりですよ。」
草野店長
「そうだよね。でもね、車いすは初めからスリングシートじゃなかったんだよ。
普通の椅子に車輪を取り付けた格好が始まりだったんだ。
その後、車いすを簡単に持ち運び、携帯したいというニーズがあって
1933年アメリカで折りたたみ式が初めて考案されたんだ。
この時、座面と背もたれをスリングシートにするアイディアが生まれた。
車いすをコンパクトにするばかりか、軽量化まで実現させたんだ。」
さくら
「ふーん。当時としたらすごいアイディアだったんでしょうね。」
草野店長
「そうだろうね。国内で折りたたみ車いすが普及し始めたのは1955年頃と言われてる。
当時の形と現在の形は基本構造にそう変わりはないらしい。」
さくら
「50年以上続いてるってことは、良い商品だってことですか?」
草野店長
「まあ、そうとも言えるけど・・・、
折りたたみ式は小さくたためるよね。しかも軽くてかさ張らない。
メーカーにすれば、輸送コストが削減できる、保管場所を取らなくて済む、
という商業的メリットがあった。
だから沢山作って市場に供給した。
価格も安かったから拍車をかけて普及したんじゃないかな。
そして、それが当たり前になってしまった。
折りたたむ必要がない車いすもあったはずなんだけどね。姿を消してしまった。」
さくら
「そーなんだ。」
草野店長
「ここからがスリングシート弊害の始まり。
病院や介護施設でこの車いすが利用されるようになった。
「寝かせきり」が症状を重度化させていると問題になって、離床運動が起こったんだ。
寝てる方を起こして車いすに座らせるのが良い、と言われて、
今度は長時間スリングシートの車いすに「座らせきり」にさせた。
そうしたら、姿勢の悪化や床ずれの悪化という別の問題が浮上したんだよ。」
■座位姿勢が悪化し、床ずれが発生した。
さくら
「どうして姿勢や床ずれが悪化したんですか?」
草野店長
「一つは、お年寄りが使うには車いすのサイズが大きすぎたんだ。
大きすぎる椅子に座るとどうなる?
背もたれが遠すぎて寄り掛かると背中が曲がっちゃうだろ。」
さくら
「確かに・・・。」
草野店長
「もう一つは、リクライニング機構の問題。
背もたれを動かせるようにしたんだけど、ただ動くようにしただけじゃ、
リクライニングする度に身体はずるずると滑り落ちてしまうんだ。」
さくら
「どうして滑り落ちるんですか?」
草野店長
「前に説明しなかったっけ?介護Webゼミの第2回だったかなぁ・・・。
僕の説明が下手なせいで不評らしいけど、
あれがわからないと電動介護ベッドやリクライニング車いすで
背上げ・背下げをすると、どうして身体がずれるかわからないよ。
重力で落っこちるわけじゃないんだよ。別の原因があるんだ。
でも、まあ、重力が働いてるか・・・ブツブツ・・・。」
さくら
「あはっ(苦笑)。なんとなく・・・。もう一度読み返してみます。」
草野店長
「コンツァーベースは座面の安定支持を考えているから、背もたれとはまた別なんだけど・・・。
あれっ?どこまで話したっけ?」
さくら
「座らせきりで姿勢と床ずれが悪化したって・・・」
草野店長
「うん。座らせきりで座位姿勢と床ずれが悪化した理由は、
スリングシートの車いすに長い時間座らせていたことなんだ。」
■車いすは椅子にならない?
さくら
「車いすって椅子にならないんですか?」
草野店長
「車いすは椅子でもあるよ。
障害を負った方が利用している車いすなんかは、
「座る機能」も十分に配慮された椅子だよ。
でもね、病院の玄関先にあるような車いすは、
長い時間座る椅子じゃない。あれは人間台車だよ。
A地点からB地点に人を移動させるための安全な台車。
そのための機能しか備えていない。
考えてごらん。
私たちの生活にあれと同じスリングシートの椅子ってあるかい?」
さくら
「・・・・、キャンプとか・・・、魚釣りとかで使う折りたたみ椅子、くらいですかね。」
草野店長
「そう。あくまでも間に合わせの椅子だよね。
で、それを使う人はいたって健康で体力もある何の問題もない人たち。
辛くなったらいつでも自分で逃げ出せるしね。
それ以外じゃ、スリングシートの椅子なんて使ってないよね。
どうしてだろうね。」
さくら
「・・・・・・。」
草野店長
「スリングシートの椅子はくつろげないし、長い時間座っていられない。
それをわかってるからないんだよ。
ところが、これを体力のないお年寄りや病人に使わせてる。
不思議でしょ。
私たちでさえ普段使わないものを、身体の弱っている人たちに平気で使わせている。」
さくら
「スリングシートってダメなんだ・・・。」
草野店長
「スリングシートがダメなんじゃないんだ。」
■車いすを使わせている側に問題がある
草野店長
「スリングシートの車いすは何も悪くないんだよ。
問題は、椅子として使わせている側の意識だね。どう使うかが間違ってる。
スリングシートの車いすに長時間座らせきりにさせて置くことがダメで問題が起こるんだ。
スリングシートはたわんでるよね。しかもゆらゆら動く。
不安定なんだ。たわんだシートの端に座ると身体が傾いたりする。
人のお尻って座骨があって尖ってる。いわば二つの点で座ってるようなもの。
スリングシートの丁度中央に座ればまだいいけど、
ちょっとでも端にずれたら骨盤は傾く。
骨盤が傾くと背骨も曲がるんだ。側湾が起こる。
人の身体の反応はそうなってる。
不安定なシートは座骨を揺らし骨盤を揺らす。骨盤を揺らすと背骨が揺れる。
この一連の動きは座位姿勢の変化を複雑にさせる。
車いすに座ると、左右のひざ頭が段違いになってて
一瞬、長さが違うのかな?って思ってしまう人を見かけるけど
これは、背骨の捻じれ、骨盤の傾きと回旋が起きてるから。
たわんだスリングシートが原因になってる。
何度も言うようだけど、
身体の弱っているお年寄りや病人の方は
変化する姿勢をそんなに長くコントロールできる体力はないんだ。」
■コンツァーベースが座面を安定させる
さくら
「コンツァーベースがスリングシートのたわみを補って
安定した座面を作るんですね。」
草野店長
「そう!コンツァーベースが安定した座面を作る。
そして、骨盤を安定させて良い姿勢を作る土台になる。」
さくら
「店長?『コンツァー』ってどういう意味なんですか?」
草野店長
「うん!たぶんそういうだろうと思ってたよ。
英語で表記すると【contour base】
訳せば、身体の曲面に合わせた土台・基礎。
【contour】の日本語表記は色々あって、
「コンツァー」、「コントゥアー」、「コンター」、「カンツァー」などがあるけど、どれも同じ。
統一してほしいよね。」
さくら
「身体の曲面って、お尻だから
コンツァーベースをお尻に敷くんですね。」
草野店長
「そう。お尻の下に敷くんだ。クッションの底に入れてね。
コンツァーベースの働きは
座面をお尻の形に沿うような曲面にすること、
グラグラしない安定した面にすることなんだ。
後付けだけどスリングシートのたわみ・欠点を補正する道具なんだよ。」
さくら
「だから、こんなカーブした形してるんですね。
お尻の形に似てますね。凸凹してますけど、これは何ですか?」
草野店長
「それは、板が曲がらないような補強だね。
こうすると強度が増すからね。」
さくら
「なるほど~。どっちが前ですか?」
草野店長
「W字型になってるこっちが前だよ。
こに太もも、大腿部が乗っかるんだ。すると収まりが良いんだ。」
さくら
「なるほどー。そうですね。
溝にはまったようになるから安定しますね。」
草野店長
「素材はポリエチレン。重さは約430g。
耐荷重は135kgもあるからほとんどの人は大丈夫だね。
クッションカバーを開けてクッション材の下にコンツァーベースを挿入する。
こうすると平らだった普通のクッションが姿勢保持と体圧分散に優れた
コンツァー型高機能クッションに早変わりするよ。」
さくら
「どれどれ・・・。このクッションに入れて座ってみていいですか?」
草野店長
「いいよ。やってごらん。
最初にコンツァーベースを入れないで感触を確かめてからやるとよくわかるよ。」
さくら
「コンツァーベースなしの感じはこんなんで・・・、
コンツァーベースを入れると・・・、
ん?・・・全然違いますね。私でもわかります。お尻がイイ感じ~。」
草野店長
「平らなクッションに座ると座骨に圧力が集中するから除圧にムラができるだろ。
お尻の形に沿った曲面で支えるとお尻全体で圧を分散するようになるから、
ムラができずに座骨への圧集中も軽減される。
包まれているようなホールド感もあって、
横プレを抑えて骨盤の動きを抑えてくれる。しかも硬いからたわまない。
こうして座位姿勢の安定が保たれるんだ。
しっかりと骨盤を立てて、背筋の伸びた良い姿勢が作れるよ。」
さくら
「うんうん」
■過度のコントゥアーは逆効果
草野店長
「だからと言って、ピッタリとひっつくようなコントゥアーは良くない。
「トータルコンタクト」って言うんだけど。逆に逃げ出したくなる。」
さくら
「私もしつこい男は嫌いです。」
草野店長
「そうじゃなくて・・・・(苦笑)。
遊びが必要ってこと。窮屈感が出ない程度のね。
コンツァーベースは程良くコントゥアーしてて遊びがある。だから良いんだ。」
さくら
「店長!わかりました。これ、売りましょう!」
草野店長
「(笑)ありがとう。」
■コンツァーベースの商品仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 幅約38×奥行約39cm
※サイズは多少ばらつきがありますのでご了承ください。 |
適合する クッションサイズ | 幅40cm×奥行40cm |
重さ | 425g |
素材 | ポリエチレン |
耐荷重 | 135Kg |
■取扱い上の注意点
- 前後の向きを守って使用してください。
- 表裏を逆にして使用しないでください。
- 用途以外の使用は避けてください。
- 製品に穴をあけたり切断したり、追加工を加えないでください。
- 火気のそばに放置しないでください。
- 床の上などに放置しないでください。