「支持基底面」は物体の安定を考える上で欠くことのできない面です。
介護で支持基底面がどんな関わりを持つか意識している方は、きっと素晴らしい介助ができていると予想できます。「物体の安定」を「身体の安定」に置き換えた時、介助者が取るべき行動は自ずと違ってくるからです。
支持基底面とは、文字通り「物体を支持している基底となる面」です。
「基底」とは、基礎となる底面。物体の基礎、土台のこと。
具体例を出して説明します。下のイラストを見てください。
物体とその物体の支持基底面をピンク色で示しました。
これらは非常にわかりやすい例です。
立方体の支持基底面は正方形、円柱は円、三角すいは三角になります。
次は、物体の形状を少し複雑にしてみます。
下のイラストで示した物体の支持基底面はこのようになります。
支持基底面は、物体を置いた面に接触している面または点が囲んで作る図形です。離れた接触面どうしや点を接線でつないでできる図形です。
別のイラストで説明しましょう。
3種類の物体があります。どんな形をした物体かわかりませんが、物体を支える接触面や点だけを平面的に示すと以下のイラストのようになります。これら3つの物体の支持基底面はどんな形か考えてみてください。
下のように考えると間違いです。
下のイラストを見てください。
物体が赤矢印の方向に倒れる時は、赤の接線を境にして倒れます。緑矢印の方向に緑の接線を境にして倒れることはありません。とすれば、赤の接線の内側にある白い面積部分も物体を支えている面とみなせます。
物体を支える土台である「支持基底面」は、このように捉えます。
よって、物体1、2、3の支持基底面はそれぞれ下のイラストのようになります。
以上を踏まえて人の場合で支持基底面を見てみると、
立っている人、杖をついている人、床にくつろいで座っている人の支持基底面は、それぞれこうなります。
支持基底面の形状と大きさは、物体の安定に大きく影響を与えることが何となくわかりませんか?
以上、介護術の伝導士こと、草野博樹でした。
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