シーティング「水平面から観た骨盤と脊柱の反応とは」【vol.161】
シーティング第一章「人の身体のこと」第7回目です。
座位における
頭部と骨盤と脊柱の反応をみていきます。
骨盤と脊柱の3つの反応
1)前額面から観た反応
2)矢状面から観た反応
3)水平面から観た反応
今回は、
骨盤と脊柱の反応、3)水平面から観た反応
について説明します。
水平面は、身体を真上から見た面です。
脚立にのぼるなどして
座位姿勢を後方から観てください。
水平面でどのよう反応をするかと言うよりも
どのように反応してしまっているか
既になってしまっている姿勢から
身体に何が起きているかを探る形となります。
先に、
水平面から観た時に
チェックすべきポイントを挙げておきます。
▼水平面から観た時のチェックポイント
次の点をチェックしてください。
<チェックポイント>
正面に対して
車いすで言えば「進行方向に対して」
「ある3つのライン」が
垂直に交差しているかどうか、そして
3つのラインが平行になっているかどうか
です。
「ある3つのライン」とは、これです。
1)両耳を結ぶライン
2)両肩を結ぶライン
3)両膝頭を結ぶライン
好ましい状態は
3つのラインが正面方向に対して
垂直で、かつ、平行な状態です。
シーティングに詳しい方であれば
3)両膝頭を結ぶライン、ではなくて
骨盤の両腸骨を結ぶラインじゃないの?
と思われたと思います。
正しいです。
正しいですが、水平面から観ても
腸骨の位置は分かりません。
骨盤の回旋(かいせん)は
大腿骨を通して膝頭のズレで現れます。
(※回旋とは、水平面上の回転のこと)
なので膝頭を観れば
骨盤の回旋の有無を知ることができます。
ちなみに
時計回りに回転していれば「右回旋」
反時計回りに回転していれば「左回旋」と言います。
▼写真を撮りチェックしよう!
ただ、肉眼で判断するのではなく
実際の写真を撮り
プリントアウトして
定規で線を引いて観てみましょう。
線を引いて以下のようになれば
好ましい状態です。
<好ましい状態の3つのライン>
正面(進行方向)
↑
↑
↑
左膝頭●─────●右膝頭
↑
↑
↑
↑
↑
左耳●─────●右耳
↑
左肩●─────────●右肩
↑
↑
もし、
次のような状態になれば
好ましくないことが起きています。
<好ましくない状態の3つのライン>
正面(進行方向)
↑
↑ ●右膝頭
↑ /
↑/
/
/↑
/ ↑
左膝頭● ↑
↑ ●右肩
↑ /
↑ /
左耳●─────●右耳
↑/
/
/↑
/ ↑
/ ↑
/
左肩●
この<好ましくない状態の3つのライン>では
骨盤は左回旋しています。
肩のラインも左回旋しています。
耳のラインだけ進行方向に垂直です。
顔が正面を向いていると言うことです。
顔は正面を向こうと反応しますので
このようになります。
胸が左斜め前方を向いているのに
顔が正面を向いている状態です。
つまり首が時計回りに回転していて
頸椎で右回旋が起きていることが分かります。
頸椎だけが右回旋しているのではなく
頭と頸椎の根元から
脊柱が緩やかに回旋しているので
右回旋は脊柱全体に及んでいきます。
ここまでの内容で察しが付いたと思います。
水平面で何を観ていたかというと
脊柱捻じれの有無を観ていたんです。
脊柱に捻じれがあると
好ましい座位姿勢にはならないんです。
以上、
水平面から観た反応はここまでです。
ここまで
全額面、矢状面、水平面の
3つの面ごとの身体の反応を観てきました。
次回は、
3つの面の反応が合わさると
どんな座位姿勢を発生させてしまうか
実際の座位姿勢を例に観ていきます。