マニュアルは再現性を約束するツール【vol.045】
「マニュアル人間が増えた。」
「マニュアルがないと何にもできない。」
「マニュアルは画一的な人間を作る。」
「マニュアル通りの対応しかできない。」
マニュアルと聞いてこのようなイメージを持たれますか?
私は、マニュアルは再現性を約束するツールだし
これほど素晴らしいツールはない、と思っています。
今回は、マニュアルの話です。
●マニュアルは金太郎飴
————————————————————
金太郎飴はどこを切っても同じ金太郎の絵になる飴です。
マニュアルは金太郎飴に似ています。
マニュアルの手順通りにすれば
誰でも同じようにできて、同じような結果になります。
ファストフード店や、全国チェーン店などは
マニュアルがあるおかげで多店舗展開が可能になり、その結果
お客様はどの店舗に行っても同じサービスが受けられます。
マニュアルは欠くことのできないツールとして活用されています。
●マニュアルの存在意義
————————————————————
マニュアルがあるとどんなメリットがあるでしょうか。
・短期間で作業が習得できる。
・効率よく作業の抑えるべきポイントが習得できる。
・教える側の上手・下手のばらつきに影響されない。
・何ができなくて、何ができているか、がわかる。
・技能習熟度の評価基準になる。
・どんどん洗練された手順に収束していく。
・誰がやっても一定の結果が得られる。
ざっと、こんなところがあるでしょう。
誰がやっても一定の結果が得られる。
これが「再現性」です。
マニュアルはこの再現性を約束するためにあります。
マニュアルがないと、
・作業の習熟に時間がかかる。
・教える人の技量に比例して得られる結果が大きくばらつく。
・教えるべきことの抜け落ちが生じる。
・いつまでたってもその業務の効率化が図れない。
・同じ失敗を繰り返すようになる。
・人によって、店舗によって受けられるサービスが違ってくる。
ことが起こります。
●マニュアルは画一的な人材を作ってしまうでしょうか?
————————————————————
「マニュアルは画一的な人間を作る。」
「マニュアル通りの対応しかできない。」
確かにそういう側面はあると思います。
画一的、それが人間味に欠ける、という意味なら
それはマニュアルができる範疇の上のレベルを求めている
ということではないでしょうか。
マニュアルに期待するものとは別のように思います。
マニュアルができるのは、外れ値をなくすこと、
極端にできない人をなくすことであり、
ばらつきをなくし、ある程度のことはできる集団にすることです。
●絶えず変化するもの、それがマニュアルだ!
————————————————————
マニュアルは常に変更が伴います。
作りっ放しというものではありません。
作ったそばから書き込みされ、たちまち汚れるものです。
より良い手順、ポイントや管理すべき点など
気づいた点を常に追加したり、変更を加えていくものです。
これをしないと使えないマニュアルが出来上がります。
マニュアルはきれいに製本などする必要はありません。
コピーしてページ差し替えで構いません。
ワープロの必要はありません。手書きで十分です。
使ってこそのマニュアルです。
作ることや存在していることが目的ではありません。
●マニュアルにどう取り組むかで、差が生まれる
————————————————————
時に、同じマニュアルを覚えたのに
仕事の出来栄えが違ってくるようなことが起こります。
誰がやっても一定の結果が得られる。と言ったのに、です。
マニュアルは人間的な魅力や温かみを保証する道具ではありません。
なぜ、この順番なのか。
なぜ、これをしないのか。
なぜ、なぜ、なぜを自問しながら
マニュアルに書いてある本質を考えながら取り組んでいる人と
書いてある通りのやり方だけを覚えようとしている人とでは
自ずと結果が違ってきます。
画一的だ!マニュアル通りにしかできない。とは
ここの違いを言っているのではないでしょうか。
やり方ではなく、取り組み方・考え方。
最後は、その方の人間力に行きついてしまいます。
それを言っちゃーおしまいよ、ですかね^^