自動排泄処理装置の課題【vol.109】

10月1日~3日に開催された

国際福祉機器展HCR2014から

気になる福祉機器のレポートをお届けします。

今回は、自動排泄処理装置を取り上げます。

おしっこだけでなく

うんちも処理できる機器の方です。

会場内、全てのブースを観たところ

自動排泄処理装置は以下の4機種が出展されてました。

詳細は、記載したURLからご確認下さいませ。

マインレット爽/大和ハウス工業株式会社はこちら

スマイレット安寝(あんしん)/株式会社スマイル介護機器販売はこちら

エバーケア/株式会社エバーケアはこちら

▼ロボヘルパー・ラブ/マッスル株式会社(参考出品)

始めに申し上げておきます。

この内容は決して自動排泄処理装置を

中傷するものではありません。

現在、この機器が抱えている課題を明らかにし

より良い機器へと進化するための

情報共有の場にしたいと思って書いています。

どうか、ご理解ください。

では、参ります。

普段の私なら福祉機器展で

このあたりの機器はスルーします。

観ないんですね~、関心薄い(笑)

あるのは知ってました。

詳細を確認したのは、今回が初めて。

ナゼかと言うと、

今回、これもまた初めての事なんですけど

お客様と一緒に視察したからなんです。

前回メルマガ内でもお話ししてますね。

このあたり、もう少しだけ背景を説明します。

来年の4月

病院から在宅療養に戻るご家族が使用する

福祉機器・用具を購入したい。

どんな物を揃えたらいいかアドバイスして欲しい。

機器を草野さんから購入したい!

お客様からこんなご依頼を受けたのが始まりです。

そこまでおっしゃっていただけるなんて

有り難いことです。

購入予定リストを見せていただくと

ベッド、エアマット、リフト

自動排泄処理装置、車いす

シャワーキャリー、吸引器、ネブライザー

などなど

沢山の機器が挙がっています。

ご自宅も新築の設計が進んでいるとのこと。

「間取りのアドバイスもしていただけませんか?」

とのお話もいただきました。

全てが在宅療養に向けての準備です。

始めはアドバイスのみで

購入に関してはお断りしていました。

遠方ですし。

トラブったら直ぐに対応できませんから、と。

それでも、お願いしたいとおっしゃって下さるので

コーディネイトとお見積りを

お引き受けすることにしました。

詳しくはお話しできませんが、

お客様は、これらの機器・用具を

自費購入する選択をしました。

運よく福祉機器展が開催される時期でしたので

一緒に観ませんか?と私からお誘いしました。

現物が触れて詳しい説明も受けられる。

丁度良い機会でしたから。

本当にタイミングがよかったと思います。

それで、

普段ならスルーするはずの

自動排泄処理装置を、事細かーーーーに

調べ上げたというわけ(笑)

調べれば調べるほど

自動排泄処理装置の開発経緯など

裏事情が分かりましてね。

んーーーっ、

ここに書けないことが一杯あるんですよ(笑)

公表しても問題ない?ところだけ

お話ししましょう^^

「購入しないでレンタルしたほうが良いですよ」
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こちらが購入したい!と伝えると、必ず

レンタルしたほうが良いと勧められました。

あるところは販売は一切なし。

レンタルしか対応していないと言います。

向こうが心配する理由は

「使いこなせないと思う」

「何か問題が起こったら返品できないですよ」

と言うものでした。

可笑しいですよね。

だって、

この機器は使いこなせなくて

問題が起こる可能性が高いと言うんですから。

それなら、在宅介護のレンタルも同じじゃない?

と思うわけです。ね^^

でも、そこは、

貸与する我々側がフォローしますので

と言います。

何が何でも貸したいんですね^^

今、機器が流通してる場所は介護施設さん。

台数の情報はありません。

彼女たちなら使いこなしている?のでしょうか…。

(うちの施設で使ってますよという方がいたら

どんな感じか教えてくださーーい。)

2012年4月の介護保険改正で

福祉用具貸与種目の13番目に加わりました。

自動排泄処理装置が。

実際、私の住む相馬市では

在宅でこの機器をレンタルしている事例はゼロ。

福祉用具相談員でさえこの機器に明るくない^^

こんな状況の中でナゼ

レンタル種目に認められたか?

ここが疑問ですよね。

彼ら(製造・発売元)が言うには、

市場に普及しやすい環境は整えたから

後はメーカーさん、頑張って普及に努めてね

と厚労省さんが言ってるんじゃないでしょうかね~(笑)

ホントか~(笑)

確かに、この機器は

まだまだ未成熟な部分が多いと感じますね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

必要性は感じます。

ただ、まだ販売価格も高く

広く流通するまでに至ってないのが実情。

品質とか安全性についても疑問があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

PSEマーク一つにしても

機器によって丸型PSEと菱形PSEがある。

PSEマークを管轄する経済産業省も

自動排泄処理装置に該当するカテゴリーがなく

その判断に曖昧な部分があるようです。

(あるブースでの担当者さん談によります)

ちなみにPSEの話をしておくと、

PSEマークは

電気用品安全法が定める安全規格のマーク。

(Product Safety Electrical appliance & materials の略)

国内で100Vコンセントを電源とする電化製品には

表示が義務付けられているマークです。

(一部例外を除き)

菱形PSEマークの方が規格が厳しく

使用上、危険性の高い製品に適用されます。

経産省指定の検査機関の検査に適合した製品にだけ

表示が認められるマークです。

丸型PSEマークは、

メーカー独自の品質検査だけでよく、

経産省に届出すれば表示が認められるマークです。

(電動ベッドは丸型PSEマークに該当)

同じ用途、同じ使い方をする機器なのに

安全規格が違うのは消費者としては心配ですね。

自動排泄処理装置では

股間に充てるカップ表面に

電極むき出しの箇所があるんです。

排泄物に含まれる塩分で

電極間の通電が得られる部分。

ここで排泄を感知する仕組み。

ここが露出していて

簡単に触れて感電の危険性がある。

(今になって思うと会場で確認すれば良かったな~

どれくらいビリッと感じるか^^)

ここの部分を指摘するメーカーさんは

絶対に菱形PSEマークでないとダメでしょ

と指摘します。

そうは言われても、マークが違っても

電極むき出しなのはどこも同じ。

何がより安全か、違いを明確に示してくれないと

私たちには分かりません。

とにかく、

「買わずに借りたほうが無難ですよ」

の一点張り。

そんな中、私がお連れしたお客様は

購入を強く希望されています。

私の立場、お分かりいただけますか(笑)

お試し使用をお願いしましたので、先ずは

お客様が使えるかどうか、を判断してから

になりそうです。

とりあえず見積もりは提示いたします。

おーーーっと、こんなことを書いてたら

またボリューミーになってしまいましたね(笑)

他にもまだこの機器には課題が!

次回に続きます。

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