高齢者は6輪車いすを選べ【vol.119】
「弘法筆を選ばず」の諺を借りるなら
「下手は筆を選べ」」と言いたい^^
下手な人ほど良い道具を選んで使った方がいい。
その方が絶対に上達が早くなります。
コレ、私の持論です。
車いすもそう。
高齢者は6輪車いすを使ったほうが良い。
今回のテーマは
▼『高齢者は6輪車いすを選べ!』です。
6輪車いすは車輪が6個付いた車いすです。
大きい駆動輪2個を挟んで
前後に小さいキャスター4個が付いた構造。
高齢者には6輪車いすがふさわしい!
言い切っちゃいましたね(笑)
▼その理由は3つ。
1)こぐのが楽だから
2)小回りが利くから
3)段差越えが簡単だから
このために6輪構造にしたんだから
当たり前なんですけどね(笑)
楽にこげて、小回り利いて、段差越え簡単なら
多少のバリアアリーはクリアできます。
↓ ↓ ↓ ↓
移動が容易になれば行動範囲が広がり
自分で出来ることが多くなる。
↓ ↓ ↓ ↓
QOL向上につながる。
なのに6輪車を使ってる高齢者は少ない。
ほとんどいませんね(笑)
なんでか?
その理由も交えてお話しします。
▼6輪車がどうして楽にこげて
小回りが利いて、段差越えが簡単か
その理由からお話しします。
▼楽にこげる理由
・駆動輪の位置が肩の真下付近にあること
・体重のほとんどが駆動輪に乗っていること
・転がり抵抗が小さいこと
が理由です。
楽にこげるには2つの意味が含まれます。
一つは力の面で楽。
もう一つは動きの面が楽。
6輪車は少ない力でこげます。
非力な高齢者にはもってこいです。
6輪車は身体に無理のない
なめらかな動きでこげます。
駆動輪の位置が前方に寄ってますからね。
肩の上がりにくくなった高齢者にはいい。
▼小回りが利く理由
端的に言うと
駆動輪と前輪キャスターの距離が短いからです。
高齢者の車いす操作をよーく見てください。
高齢者の曲がり方には特徴があります。
必ず曲がる方の駆動輪を軸にして曲がっています。
この曲がり方をすると
標準型車いすの回転半径は90cmを超えます。
なので日本家屋の直角コーナーは曲がれません。
ところが6輪車は
このような曲がり方をしても曲がれます。
回転半径が70cm以下ですから。
▼段差越えが簡単な理由
前輪キャスターを持ち上げる
ウィリー操作が簡単に出来るからです。
体重のほとんどが駆動輪に乗っていますので
身体を少し後方に反らせただけで
簡単に前輪キャスターが浮きます。
段差を超える前に身体を後ろに反らす方法を覚えると
高齢者でも簡単に楽に段差が越えられます。
その段差も3cm位までならですが^^
3cmの段差が越えられれば
和室から縁側は楽勝です。
最後に
▼なぜ6輪車は利用されないか
在宅介護の場合はこれ。
スロープを使って昇り降りが出来ない。
6輪車は後方に倒す角度が制限されます。
後ろに着いたキャスターが制限してます。
スロープの傾斜角度はその角度以上になるので
昇る時に前輪キャスターが突っかかる
降りる時に後輪キャスターが引っかかるで
6輪車は動けなくなるんですね。
これが大きい。
家内用と外出用の2台レンタルは可能ですが
そこにお金はかけてくれないですね~(笑)
介護施設とか病院で利用されない理由
やっぱり値段が高いからでしょうかね(笑)
それとも高齢者に自由に動いてもらったら
困るのかな^^