福祉用具専門相談員の質を上げたければ【vol.120】
平成27年4月から
福祉用具専門相談員の資格を得るための
講習・実習カリキュラムが変更になるんです。
・個別サービス計画作成に関わる科目の追加と
・講習の最後に一時間程度の修了試験が追加され
・講習時間が40時間→50時間(+10時間)
になります。
受講料については触れていませんが
きっと、上がるでしょうね^^
先週末、たまたまこの情報が耳に入りまして
思うところを書いてみます。
福祉用具専門相談員は長いので
以下、相談員と略しますね。
▼相談員は「資格」ではなく「要件」
私は、相談員は「資格」ではなく「要件」だと
考えています。
仕事をするにあたって必要な
オリエンテーションみたいな位置づけでしょうか。
オリエンテーションにあんまり詰め込んでも
忘れられるのがオチです(笑)
課題は現場に出てからのキャリア形成の仕方にあって
すなわち、相談員の質は事業所の人材育成の取り組み方と
本人の努力に掛かっているわけです。
事業所任せだから質にバラつきが出るんです。
統一された育成カリキュラムがないことの方を
何とかしないといけない。
▼相談員はどんな仕事をする職種か
簡単にご説明しましょう。
大きく3つありますね。
介護が必要となった方に対し
1)福祉用具選定のお手伝いをして
2)適合調節、使い方の指導をして
3)フォローアップをする
これらを通じて
その方の生活の質、QOLを上げる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
これが相談員の仕事です。
福祉用具の販売やレンタルは手段なんですね。
1)福祉用具選定のお手伝いとは、
・ご本人やご家族の希望のヒアリングして
・ケアプランにマッチした用具の情報提供をし
・自己決定プロセスのサポートをする
ことです。
2)適合調節、使い方の指導とは、
・用具を必要に応じて微調節をしたり
・使いこなせるように指導する
ことです。
3)フォローアップとは、
・利用状況を継続的に把握して
・ケアプランに基づいて評価をし
・ケアプランとのズレを修正していく
ことです。
これが相談員の仕事です。
仕事を遂行するには
相談員に必要な知識とスキルは勿論のこと
コミュニケーション能力も要求されます。
どうでしょう?
相談員の仕事は簡単ですか(笑)
▼相談員には簡単になれます^^
現状、相談員になるためには
各都道府県が指定した業者が行う講習に
40時間参加して修了証をもらえばなれます。
試験はなし。
受講料と引き換えに資格がもらえます。
こんな資格は資格じゃないですよね(笑)
資格がないと介護保険を利用した
福祉用具提供サービスに関われないので
みんな仕方なく取ってる。これが現状。
来年4月に講習内容が変更されるわけですが
不合格者を出すとは思えないので
全員が資格をもらえると思って間違いないでしょう。
▼もしあなたが、既に下記の有資格者なら
相談員の資格が自動的に与えられます。
講習会を受講する必要はありません。
保健師、看護師、准看護師、
理学療法士、作業療法士、
介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー二級以上、
義肢装具士
これらの資格があるだけで
先のような相談員の仕事が出来るでしょうか。
だから「資格」ではなく「要件」なんですよ。
義務教育は受けてますと証明するもに過ぎない。
仕事に就くための必要条件の一つなんですね。
資格と言うからおかしくなる。
資格ならスキルのレベルを
保障しなければならないよね^^
▼相談員のスキルが磨れるのは資格を取った後
相談員のスキルは現場でしか磨かれません。
・会社から教育を受けて
・現場で経験を積んで
・自ら精進を重ねる
これしかありません。
相談員の質を上げたいのであれば
これを各事業所任せにしないで、
個人任せにしないで
統一したカリキュラムの人材育成を
全国展開することです。
そこに技能認定資格を与えていくことです。
福祉用具業界はここを間違えてはいけない。
一つの評価基準として資格がある
これは仕方がない。見てわからないのだから。
しかし、資格がある=仕事が出来る、では無い。
なので資格を厳格化しても意味がないんです。
技能を認定していくのが正しい。