後編|脚の位置関係で変わる骨盤の動き・座位姿勢の変化【vol.071】
vol.066とvol.067で
骨盤と脊柱を変化させる筋肉について触れ
vol.069で
脚の位置関係が骨盤をどのように変化させるか
ひいては座位姿勢にどんな影響をもたらすか、に触れました。
5つの例を挙げてお話ししました。
1)足の位置が膝頭より前にある時と、後ろにある時
2)膝が上がっている時と、下がっている時
3)脚が開いている時と、閉じている時
4)がに股で座っている時と、内股で座っている時
5)脚を組んで座っている時
vol.069では2)まで。
途中、急に動画の話を挟んで中断。
失礼いたしました^^
今回はその続き、3)からです。
●3)脚が開いている時と、閉じている
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面接でも受けるの?
そんな姿勢で椅子に座り
脚をガバッと開いてください。
足も外側に開くんですよ。
股関節を捻るのではなく
そのまま開くんです。
専門用語では
股関節を外転する、と言います。
外転(がいてん)です。
自然と骨盤が後傾しませんか?
そして少し猫背になりますね。
ならない?
それは背筋を伸ばそうと意識しすぎてるからです。
股関節は全方向、自由に動くわけではないですね。
体操選手や雑技団のような特別な人は別。
普通の人は、脚を開くと
股関節の動きが窮屈になっていきます。
あるところで動きが制限されると
脚を開く力は、今度は骨盤を後ろに倒す力として働きます。
骨盤が後ろに倒れると
股関節の自由度に余裕が戻るので楽になります。
こんな体の反応があるので
脚を開くと骨盤は後傾し、脊柱は屈曲します。
脚を揃えて閉じている時は
骨盤前傾、脊柱伸展の姿勢が取りやすいですよね。
●4)がに股で座っている時と、内股で座っている時
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同じ脚を開くでも
がに股は、股関節の外旋と言い
内股は、股関節の内旋と言います。
股関節を回転軸にして
外側に捻じれている状態が⇒外旋(がいせん)
内側に捻じれている状態が⇒内旋(ないせん)
です。
旋回するの旋です。
がに股は、面接を受ける座位姿勢で
膝だけ大きく開いた状態です。
足は開いてません。
がに股は骨盤を後傾させ、脊柱を屈曲させます。
理由は、3)と同じ。
股関節が窮屈になってくるので、骨盤を後傾させて
自由度を上げようとする反応が起こるからです。
立位でもそう。
直立不動の姿勢で、かかとを軸に
つま先だけ思いっきり開いてください。
つまり、両方の股関節を
思いっきり外旋するんです。
足が180度の直線ぐらいになるまで^^
すると
普通の人はへっぴり腰になる^^
バレリーナは別ですよ。あれは鍛えてるから^^
これって骨盤の後傾です。
これに対して、内股。
内股は、膝がくっついてて足が開いている状態。
それで、つま先がハの字。
この時は、股関節の自由度は
骨盤を後傾させた方が上がる。
だから
内股は自然と骨盤後傾、脊柱屈曲の姿勢になる。
立位でもやってみて。
かかとを少し離して立ち
両つま先を思いっきり内側にまわして、股関節内旋すると
へっぴり腰になる^^
●5)脚を組んで座っている時
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脚を組んでる時は
上に乗った膝が股関節より上に来るので
前に説明した通り、
骨盤を後傾させ、脊柱を屈曲させてしまいます。
加えて
下腹部が窮屈になるので
骨盤後傾させて楽になろうとする。
脚がクロスしている、つまり
股関節が内転(ないてん)している状態では
骨盤を後傾させる力が股関節を通して伝わります。
以上、ここまで。
理屈じゃなくて
実際、そうなってる的な話ですいません^^
セラピストじゃないもんで
細かくはわかりません。
どなたか論理的にこうなる
補足をいただけるとありがたいです^^
いずれにしても
これらは体の反応として当たり前にある。
体のどこかを動かすと、重心の位置が変わり
バランスを取るためにまた別のどこかを動かす。
こんなことを瞬時に行っているのが、体です。
全ては、反応として起こっていること。
勘違いしないでください。
座位姿勢に影響を与える先の5つの状態が
悪いのではありません。
全ては反応です。
姿勢は変化するのが自然。
同じ姿勢が長い時間続くこと、続いていることに問題ありです。
ずっと座ってて、足を前に出したり、引いたり
脚を開いたり閉じたり、膝を上げたり下げたり
こうすることで
骨盤が前傾したり後傾したりする。
このことが臀部の体圧分散をしているのは事実です。
骨盤が前後に動くと
座位姿勢が崩れてしまうからと言って
抑制するようなこと
がっちり固定するトータルコンタクトは
しないでおきましょう。