姿勢別の抗重力筋はどこか【vol.093】
今回は「抗重力筋」にスポットを当てて
拘縮の姿勢との因果関係をお話しします。
抗重力筋は、重力に対抗して体を支える、
姿勢を保つために働いている筋肉のことです。
具体的に筋肉の名前を挙げると
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
腹直筋(ふくちょくきん)、大臀筋(だいでんきん)、
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)などですね。
立ってる時、座わってる時、寝てる時
抗重力筋が働いています。
姿勢で働く抗重力筋は違います。
えっ!寝てる時も?
ただ寝てるだけなのに姿勢をキープする筋肉が働いてるの?
と思いましたか?
寝てる時も抗重力筋は働いています。
座位や立位のようなバランスを取るために働く、のとは
ちょっとニュアンスが違う気がしますけどね^^
筋肉が働くとは、
イコール「筋緊張している」と言うことです。
姿勢を保つため、と言うより
体重に押しつぶされないように、
下になった筋肉が筋緊張して少し固くなって
頑張っているんですね。
さて、ここからが大事なポイントです。
姿勢によって違う抗重力筋はどこなのか
ここをしっかり押さえましょう。
▼立位時の抗重力筋は、どこ?
気を付けの姿勢では、主に
体の前面と背面の筋肉が抗重力筋として働きます。
横倒れを防ぐ筋肉も働きますが
ほとんどは前後のバランスを保つことで
立位を保っています。
▼座位時の抗重力筋は、どこ?
骨盤から上の、体の前面と背面の筋肉が
抗重力筋として働きます。
臥位には色々な臥位がありますね。
仰臥位、腹臥位、右側臥位、左側臥位
一つずつ見ていきましょう。
▼仰臥位時の抗重力筋は、どこ?
頭の先から足までの、背面の筋肉です。
▼腹臥位時の抗重力筋は、どこ?
仰臥位でヒントを出しましたのでわかりますよね^^
頭の先から足までの、前面の筋肉です。
ここまでくれば後は簡単ですね。
▼右側臥位時の抗重力筋は?
そうです。
下側になってる、体の右側の筋肉です。
▼左側臥位時の抗重力筋は?
下側になってる、体の左側の筋肉です。
で、
抗重力筋と拘縮の因果関係です。
筋緊張の続いた先に拘縮発生があるとすると
どこの抗重力筋が緊張をつづけていたか
それはつまり、どの姿勢が一番続いていたか
と言うことになります。
仰臥位が長く続いていれば
体の背面の抗重力筋の緊張が続きます。
筋肉の委縮や短縮が起こります。
するとどうなるでしょう?
・頚部が後屈する
・両腕が後方に引かれる
・股関節が屈曲する
・膝関節が屈曲する
・足首が伸びる
こんな症状が発生します。
この症状、拘縮の見られる人の
典型的な姿ですよね。
つまり、
○○○の時間が多いとこうなるということ。
さーて、この○○○には何が入る?
次回お話しします。