家庭用椅子と外食店用椅子の違い【vol.122】

身の回りにある「椅子」を

掘り下げて見てみよう!

今回は、食事をするための椅子

ダイニングチェアを取り上げます。

家庭用と外食店用の二つを見てみましょう。

▼一般家庭にも欧米式のダイニングスタイルが定着し

テーブルとイスで食事をするご家庭は多くなりました。

家庭用のダイニングチェアには

シーティング・ノウハウが活かされたものが

当たり前になってきています。

健康な日本人が一回の食事に費やす時間は

20分程度ではないでしょうか。

だとすれば、そんなに立派な

シーティング・ノウハウが詰まったような

ダイニングチェアでなくてもいいのです。

ところが、

家具屋さんのダイニングコーナーを覗けば

背もたれにまでクッションが付いた椅子

座面が回転するイス

キャスターが付いた椅子

座面が高さ調節できる椅子と

色んな機能が付いた椅子が普通にあります。

これらの椅子の機能は

今やオフィス環境では当たり前のことですね。

オフィス環境に慣れてしまった私たちは

ダイニングチェアにも同じ環境を求めています。

生活スタイルの変化も要因としてある。

ダイニングチェアに座ってる時間が伸びた。

食卓は食事するためだけの場所ではなくなっています。

子どもたちが宿題をする場所であり、

お母様方の憩いの場所

作業スペースになっています。

ダイニングチェアに座っている時間が

どんどん長くなったことが

先のような高機能を備えることに

リンクしていると思います。

つまり、こうした機能があるほど

長い時間座っていられるんですね。

ダイニングチェアにシーティング・ノウハウは

活かされていますね。

今後、どんな変化を見せるか楽しみ^^

▼さて、外食店の椅子はどうでしょうか。

お店にはついつい長居してしまう店と

飲食が済んだらすぐに出てしまう店があります。

根本的な違いは何かと言われれば

お客様の滞在時間を長くすることで

売り上げを上げるお店か、

お客様の滞在時間を短くすることで

売り上げを上げるお店かの違いと言えます。

極端な例ですが

居酒屋とかけそばチェーン店の違いと言えば

お分かりいただけるでしょうか。

改めて言うまでもなく

長居させたいのは居酒屋で

短くしたいのはかけそばチェーン店です。

それが椅子と何の関係があるか、ですね。

長居してもらうにも

さっさと席を立ってもらうにも

どんな椅子を使うかが関わってきます。

長居して欲しい店の場合は

掛け心地の良い椅子を使う傾向があります。

掛け心地の良い椅子は

お客様の滞在時間を長くします。

ただし、家庭用に見られるような

座面の高さ調節機能や座面回転機能

キャスターは採用されていませんね。

一方で、

お客様の滞在時間を短くして

回転率を上げて売り上げを上げようとする店は

裏の手として掛け心地の良くない椅子を使います。

椅子さえ置いてなかったりする。

ランチタイムのような書き入れ時は

次々お客様を入れ替えて稼ぎたいわけです。

お客様に食休みなどされて長居されたら困るので

早く席を立ちたくなる椅子を選び、

そこまで隣の席と近くしなくてもいいのに

と思うような店内レイアウトにしています。

そもそもの求めるものが違います。

椅子に求められるのは

最低限食事に困らない機能と

お店の雰囲気に合った形・デザイン

回転率を上げるために必要な

掛け心地と居心地の悪さです。

外食した時にどんな椅子を揃えているか

観察するのも楽しいですよ^^

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