円背(えんぱい)の方の椅子は背もたれがカギ【vol.125】

シーティングの観点から

身の回りにある「椅子」を

掘り下げて見てみよう!

4回目です。

今回は、円背の方の椅子です。

円背の方にとって

普通の椅子、私たちが座るイスは使い辛い。

どの点が使い辛いかと言うと

背もたれですね。

無い方が楽です。

それから、

座面の奥行きが足りない。

普通の椅子の座面奥行きは40cmくらい。

円背の方は背中が極端に丸まってますから

深く座ろうとしても背中がせもたれに当たるので

浅く座るようになります。

実質、奥行き20cmの座面に座っているようなものです。

これでは不安定ですよね。

そして、背もたれ。

背もたれに寄りかかると

円背が更に強くなります。

なので本人も辛い。

だから背もたれに寄りかからないで座るか

辛くても我慢して寄りかかるかしてます。

我慢して寄りかかれば

円背が益々強まります。

良くない傾向ですね。

背もたれに寄りかかると円背が強まる理由は

背もたれが高すぎるからです。

円背の方に限らず

背もたれが高すぎる椅子は

どんな人でも円背気味になります。

どれくらいだと高すぎるのか。

それは、背中の一番突出している箇所

最も後ろになっている箇所の高さを超えていれば

その背もたれは高すぎです。

それより上は背もたれの機能を果たしていないので

無くてもいい。

座る人にとってはね。

円背ではなく背筋が伸ばせる方であれば

背もたれとして必要なのは肩甲骨まで。

そこから上は要りません。

円背の方であれば、

腰椎と胸椎の境目くらいまでです。

円背の方は、

この辺りが凸のピークになっていますよね。

凸のピークよりも低い背もたれであればいい。

背筋を伸ばせる方でも円背の方も同じ。

背中の凸のピークが先に当たる背もたれは

上体を前屈させる力が働きます。

何に例えればご理解いただけるか考えてみました。

例えば、コピー用紙1枚を床に立てて

壁に寄り掛けてみてください。

横から見た絵がこんな感じです。


│\
│ \
│  \←コピー用紙
│←壁 \
│    \
│     \■←つっかえ棒
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑床

ちゃんと絵に見えているか心配です^^

床と接している部分は滑って動かないように

つっかえ棒か何かしてください。

するとどうなるかと言えば

紙はヘナヘナとくの字に曲がりますよね。

こんな感じに。


│←壁


││←コピー用紙
││
│└─────■←つっかえ棒
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑床

今度は、壁から離して

紙の真ん中辺りを支えてください。

絵にするとこんな感じです。



\←コピー用紙
│\
支え→│ \
│  \■←つっかえ棒
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑床

そうすると不思議なことに

紙が曲がらず、まっすぐになります。

もしならければ、

支えの位置をずらして

紙が曲がらなくなるポイントを見つけてください。

紙がまっすぐに伸びる支えの位置

その位置が人間の背骨で言う

脱力しても背筋が伸びる理想的な支えの位置です。

その位置は背骨の凸のピークの少し下にあります。

シーソーのように

バランスを保てるポイントは

凸のピークの下にしかありません。

ですから、

その箇所から少しでも上を支えると

背骨はバランスを崩し前屈するし、

少しでも下を支えると

背骨はのけ反ってしまいます。

介護用品のシャワーチェアで

円背に対応した商品が出てますね。

あの椅子の背もたれはどこにありますか?

とんでもなく低い位置にありますね。

円背の方にとって

そに背もたれがあると深く座れるし

背筋も伸ばせるんですね。

最後に。

背もたれは高さが大事。

そして、どの角度で支えるかが大事です。

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