車いす座位で上肢をサポートする道具【vol.133】

上肢の重量を体幹から解放して他に移す。

上肢を座位姿勢維持の道具として活用する。

これが出来れば、

・体幹の前屈を予防でき

・坐骨に掛かる圧迫を軽減できます。

つまりは、

好ましい座位姿勢の維持につながります。

車いすの座位において

上肢をどのようにサポートするか。

二回目の今回は、

上肢をサポートする道具をご紹介します。

▼車いす用テーブルの活用
上体の前屈傾向が強い方におススメの方法です。

車いす用テーブルを肘掛け乗せて

安定した広い支持面を作りサポートしす。

肘を付くので背筋が伸びやすくなるのと

自然な形で上肢をサポートできるのが良い点です。

テーブルに肘をつけば

上腕がつっかえ棒になって

背筋も伸びやすくなります。

面積も広いので

前腕を自然な形の「ハの字」で乗せられます。

車いすの肘掛けは平行です。

ここに「小さい前習え」の形で肘を乗せるのは

不自然です。

実は無理をしているんですね。

座位の時の上肢の自然な形は、

両手を付けて肘は開く

前腕が「ハの字」になる形です。

テーブルがあると自然な形で

上肢をサポートできるようになります。

この時「テーブルの高さ」調節が出来ないと

意味がありませんので

肘掛けの高さ調節機能は必須です。

テーブルの高さが

低すぎれば円背を招きますし

高すぎれば身体がのけ反ってしまいます。

適切なテーブルの高さは肩の位置で判断します。

背筋を伸ばして

上肢をだらーんと下げた時の肩の位置に比べ

肘をテーブルに乗せた時の肩の位置が

3cm程度上がっている状態を目安にします。

この方法のデメリットは

移乗の度にテーブルを付けたり外したりする

手間がかかることです。

▼太ももの上にクッションを乗せる
この方法は、

前屈の傾向がそれほど強くない方向きです。

太ももの上にクッションを乗せて

肘掛けの間に広い支持面を作る方法です。

場合によっては

太ももに乗せたクッションの上に

更に大きいクッションを乗せて

広い支持面を作って上肢をサポートします。

肩の位置を観ながら

クッションの厚みを調節します。

車いす用テーブルを使用した時と

似たような効果が期待できます。

デメリットも同じ。

移乗の度にクッションを付けたり外したり

手間がかかります。

▼肘掛けユニットを後付け装着する
標準で付いている肘掛けからパッドを取り外し

後付けの肘掛けユニットを装着する方法です。

パッドも大きく安定して前腕を乗せられます。

パッドの角度も変えられ、

前腕をハの字に乗せることができます。

この方法は一度セットすれば

以上の度に付けたり外したりの手間は掛かりません。

ただし、車いすによっては、

・肘掛けの跳ね上げが出来なくなる。

・パッドが上肢にあたりハンドリム操作がしにくくなる。

などの問題が出る場合があります。

どの方法を選択するにしても

一長一短はあります。

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