シーティング「前額面から観た骨盤と脊柱の反応とは」【vol.159】
シーティング第一章「人の身体のこと」第5回目です。
いよいよ「座位」の話に入ります。
座位時の
頭部と骨盤と脊柱の反応をみていきます。
座位でおさえたいのは
骨盤と脊柱の3つの反応です。
次の3つです。
1)前額面から観た反応
2)矢状面から観た反応
3)水平面から観た反応
身体を3つの方向から見てみると
前額面(ぜんがくめん)、
矢状面(しじょうめん)、
そして水平面があります。
これらは、身体の基本面になります。
前額面は→身体を正面から観た時の面
矢状面は→身体を側方から観た時の面
水へ面は→身体を真上から観た時の面、です。
今回は、3つの反応のうち、
1)前額面から観た反応、について説明します。
▼頭部の反応
頭部は、脊柱の上で水平を保とうとします。
両眼を結んだ線が
水平になるように反応します。
このような反応をする理由は、
・平衡感覚を保つためであり
・位置感覚を正確に捉えるためです。
これは余談になりますが、
野球解説者の言葉が忘れられません。
(解説者が誰だったかは忘れました)
「バッティングの調子が悪い時は
頭が(両眼を結ぶ線が)傾いているんですよね。
水平にして観ないと
正確に球を捉えることが難しくなるんです。」
だそうです。
話を戻して、
脊柱と骨盤の反応です。
▼脊柱と骨盤の反応
脊柱と骨盤は対で反応します。
骨盤が傾くと脊柱は湾曲(側弯)します。
また、逆もあります。
そもそも傾いている座面に座ると
当然に骨盤に傾きが発生します。
座位は坐骨の2点で体重のほとんどを支えています。
坐骨に高低差が生まれるような状態の座面だと
次の様な反応が起こります。
骨盤が左下がりすると脊柱は「く」の字になります。
骨盤が右下がりすると脊柱は逆「く」の字になります。
絵にすると以下の様な感じです。
○←頭部
│
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/ ←脊柱「く」の字
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/
/
骨盤左下がり
○
│
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/ ←脊柱逆「く」の字
\ /
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骨盤右下がり
実際の脊柱の反応は
なめらかなカーブを描いて湾曲します。
脊柱の上部、頸椎は、
頭部を水平に保つために垂直になろうとします。
なので、脊柱はS字カーブを描いて湾曲します。
○
│
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/
\ /
\/
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脊柱がS字にカーブしていますよね。
脊柱を湾曲させるために収縮する体側の筋肉は
異常なまでに筋緊張を起こします。
この筋緊張が継続することで
拘縮や骨格変形を引き起こすんですね。
▼スリングシートによる骨盤傾きの発生
車いすの座面には
スリングシートと呼ばれる布を張ったものが多いですね。
折りたたむため、が大きな理由です。
一方で
「座る」ための機能としてみた時
スリングシートには大きな欠点があります。
スリングシートに座る時は
シートのセンターに身体のセンターを合わせて座らないと
坐骨の高低差が発生します。
身体のセンターがずれると
骨盤に傾きが発生します。
そして脊柱にはS字湾曲が発生します。
▼脊柱と骨盤が反応する理由
身体がこのような反応を見せる理由は
これまでも説明している通り、
身体の全ての反応は
~~~~~~~~~~~~
重心のバランスを保つために起きる
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
からです。
座位時の身体の重心位置は
第12胸椎の前にあります。
重心のバランスを保つためには
身体を支える坐骨を支点として
脊柱と骨盤が動く反応が起こります。
骨盤が水平な時の状態は以下の状態ですね。
○ ←頭部
│
│ ←脊柱
│
●←重心
│
│
│
│
───── ←骨盤
━━━━━ ←支持基底面
これが骨盤が傾くとこうなります。↓
○←頭部
\
\
●←重心
\
\ /
\/
/
/
━━━━ ←支持基底面
重心が支持基底面から外にはみ出すか
重心が画面左に偏った状態になります。
重心のバランスは良いとは言えませんね。
身体が画面左に倒れてしまいます。
そうならないために
身体は瞬時に反応してこうなります。↓
○←頭部
│
/
/ ●←重心
\
\ /
\/
/
/
━━━━ ←支持基底面
途中で脊柱を画面右側に曲げます。
この動きで、カウンターバランスで
重心の位置を
支持基底面の中央付近真上に引き戻します。
▼座位の前額面におけるチェックポイント、3つ。
脊柱がS字に湾曲して
骨盤が傾いている姿勢が
長時間に渡って続くことは好ましくありません。
好ましい状態に補正する必要があります。
骨盤を水平にして
脊柱をまっすぐになる姿勢となるよう
手を打つ必要があります。
最後に
前額面のチェックポイントをまとめます。
次の3点です。
1)両眼を結ぶ線が水平か
2)脊柱はまっすぐか、湾曲してないか
3)骨盤は水平か、傾いてないか
座位姿勢を前額面から観る時は
この3点をチェックしましょう。
次回は、
骨盤と脊柱の反応、2)矢状面から観た反応です。


