シーティング「ハムストリングと膝関節伸筋群(1)」【vol.168】
シーティング第一章「人の身体のこと」
第14回目です。
脊柱と骨盤に関わる6つの筋肉群は、
次のような「3つの対」として捉えましょう。
1)背筋群と腹筋群
2)臀筋群と股関節屈筋群
3)ハムストリングと膝関節伸筋群
これらの筋肉群が「ここ」と「ここ」の骨をつないでいるから
脊柱が伸展する。あるいは、屈曲する。
骨盤が前傾する。あるいは、後傾する。
力学的構造の理解を深めましょう。
今回取り上げる筋肉群は、
「ハムストリング」と「膝関節伸筋群」です。
2つの筋肉群は、
骨盤と下肢をつないでいます。
先ずは「ハムストリング」からいきます。
▼「ハムストリング」の意味は?
「ハムストリング」の意味は何なの?
スポーツ選手がハムストリングを故障したとか
聞いたことあるけど…。
先ず、その疑問からお答えします。
「ハムストリング」は「hamstring」
「ham」+「string」で
意味は『ハムを吊る紐』のことです。
ハムを作る時
豚もも肉をぶら下げていた紐に
豚もも肉の腱を使用していた。
それがどうして
人の筋肉の呼び名になったかは
そこまでは分かりません^^
多少の疑問は残りますが次に行きますね^^
▼ハムストリングは太もも裏の筋肉の総称
・大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
・半腱様筋(はんけんようきん)
・半膜様筋(はんまくようきん)
これら3つの筋肉を総称して呼びます。
ハムストリングと言われることが多いのですが
複数なので「S」を付けて
「ハムストリングス」が正しい呼び方です。
以降、「ハムストリングス」とします。
▼ハムストリングスの働きは2つ。
1)股関節を伸ばす(伸展する)こと。
2)膝関節を曲げる(屈曲する)こと。
ハムストリングスは、
骨盤の坐骨と下腿上部(膝から下の脚の上の方)をつなぐ筋です。
太ももの裏側にある筋肉群です。
◎大腿二頭筋(だいたいにとうきん)は、
骨盤の坐骨と
下腿の腓骨(ひこつ)上部外側をつないでいます。
腓骨は細い骨の方です。
◎半腱様筋(はんけんようきん)は、
骨盤の坐骨と
下腿の脛骨(けいこつ)上部内側をつないでいます。
脛骨は太い骨の方です。
◎半膜様筋(はんまくようきん)は、
骨盤の坐骨と
下腿の脛骨(けいこつ)上部内側をつないでいます。
ってことで、
百聞は一見に如かず。
▼ハムストリングスはこちらのイラストでご確認ください
ハムストリングスは自分で触診できます。
ひざ裏を触ってみてください。
左右に筋張った固い紐みたいなのがありますね。
内側のそれが大腿二頭筋です。
外側のそれが半腱様筋と半膜様筋です。
▼別名「ランナー筋」
股関節を伸ばすこと、そして
膝関節を曲げることと言えば
「走る」動作が思い浮かびますね。
ハムストリングスの発達は
爆発的な瞬発力を生み出します。
ハムストリングスが
別名「ランナー筋」と呼ばれる所以です。
サッカーの試合を観てると
突然、選手がふともも裏を手で押さえて
痛そうな表情をすることがあります。
解説者が
「ハムストリングの故障でしょうか。」
などと言ったりしてますね。
ハムストリングスには
瞬間的に大きな負荷が掛かるので
肉離れを起こしやすく
一旦起こすと治りにくいんですね。
▼座位に及ぼす影響とは?
ハムストリングスは「立つ」「走る」で活躍する筋肉群ですが
座位でハムストリングスが働くと
姿勢にどのような影響を及ぼすでしょうか。
解答と続きの「膝関節伸筋群」は
次回で。