重心のバランスを取る動き「カウンターバランス」【vol.009】
「重心」と「カウンターバランス」
どちらも、ポジショニングやシーティングに欠かせない用語ですね。
重心は、物体の質量が一点に集まっているとする仮想点。
質量の中心です。
では、カウンターバランスとは何か。取り上げます。
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●カウンターバランスの喩え話、其の一
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とんち小僧の一休さん、あぐらをかいて座る大男を前に
【一休】 「人差し指一本であなたを立てなくしてみせます!」
【大男】 「なんだと~小坊主!やれるものならやってみろ!」
すると一休さんは人差し指を大男の額に押し当て
【一休】 「えーい!さあ、立てますか?」
【大男】 「あれっ?んっ?立てない…」
この話を聞いたことがありますね。
これは、カウンターバランスを封じると
人は動けなくなること利用した一休さんのとんちです。
「カウンターバランス」とは
重心のバランスを取るための動きのこと。
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この話の場合、
大男が立つためには、あぐらをかいた状態で
一度頭を下げる動きが必要となります。
上体をかがめて重心の位置を前方に動かさなくてはなりません。
一休さんは、最初のこの動きを封じました。
ですから、大男は次の動きがとれず、立てません。
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●カウンターバランスの喩え話、其の二
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他にも、カウンターバランスを封じると
体が動かせなくなる状況が作れます。
壁に背中を密着させて直立します。かかとも壁に着けます。
この状態からお辞儀をすると身体が前方に倒れてしまいます。
壁がなければ、お辞儀で倒れる事はありませんが
お尻を後方へ突き出す動きが壁で封じられたため
重心を引き戻せずに前方に倒れてしまった、訳です。
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●カウンターバランスの喩え話、其の三
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今度は壁に対して真横を向き直立します。
この時、壁に足、腕、肩を密着させて立ちます。
この状態から、壁から遠い方の足を挙げようとしても
足を挙げることはできません。
足を挙げようとするのですが、金縛りの様に
足を動かすことができなくなります。
これは、足を挙げようとした途端、
壁と反対側に身体が倒れようとバランスを崩すので
挙げたくても挙げられないのです。
私たちは無意識に身体のバランスを取ろうとします。
この身体の反応も、背中を壁に密着させた時と同様
壁がカウンターバランスを封じたためです。
全方位フリーの状態で片足を上げて立つのは容易です。
片足を挙げて立つ時の身体を正面から見ると
上半身が着いている足側に傾いています。
これは、片足を挙げたことで、挙げた足側に重心が動いたため
上半身が反対側に傾いて重心を引き戻す反応をしたからです。
この身体の反応・動きが「カウンターバランス」です。
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カウンターバランスを封じると
バランスを保つことが難しくなります。
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●円背の方の座位姿勢
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身近なところで円背(えんぱい)があります。
背もたれの高い椅子・車いすに座っている時
カウンターバランスを封じられ、
円背が更に強められている場合が見られます。
円背の方が背筋を伸ばそうとするときのカウンターバランスは
上半身全体の後方異動で見られます。
しかし、背中の突出した部分が背もたれに当たると
脊柱を前方に押し出して屈曲させ、更に円背を強めてしまいます。
上半身を後方に傾けられれば背筋が伸びるのに
できなくしている場合が少なからず見られます。
カウンターバランスを可能にするには
背もたれの高さを、背中の突出部より低くして
後方へ身体を傾ける動きを可能にすることです。
併せて、骨盤後傾に合わせた背角度で
仙骨部の後ろをしっかりと支持することです。
これらの条件が満たされた時、
円背を改善できる可能性が生れます。
車いすなどは背パイプが折りたためるタイプがあります。
円背の方には背パイプを折りたたんだ方が
カウンターバランスがとれる場合があります。
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●まとめ
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私たちはカウンターバランスをとりながら
身体の動きをコントロールしています。
カウンターバランスを封じられると、正常なバランスが取れません。
ひいては、正しい姿勢ができない事に繋がっているのです。
身体の動きをカウンターバランスから観てみましょう!

