背下げはスライディングシートを挿入するとスムーズ【vol.047】

久しぶりに電動ベッドネタです。

電動ベッドで「背下げ」を行う時、事前に
体とマットレスの間にスライディングシートを挿入しておくと
背下げ中も背中側の皮膚ツッパリを感じることなく
気持ち良く背下げができます。

今回はスライディングシートを使った背下げ方法の話です。

「スライディングシート」は長いので以下「シート」と表記しますね。

●背下げでは、注意するポイントが3つある。
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1)ベッド柵の間に手や腕を挟み込まないこと。
2)一気に平らな状態まで倒さないこと。
3)背抜きをすること。
以上が背下げの際に注意すべき点です。

1番は、言うまでもありません。安全が第一です。

2番は、寝てる方が逆さ吊りされたように感じるからですね。

嘔吐したり、気分が悪くなる人もいますので
背角度30度程度で一旦止め、15分~30分程度休んでから
落ち着いたところで背下げするようにします。

さて3番です。今回のテーマはここに関係します。

電動ベッドで背上げ・背下げをすると
体は、マットレスの上を動かされるのはご存知ですね。
だから背抜きを必ずお願いしています。

背上げでは、体全体がマットレスの足元側に動かされます。

背下げでは、上半身は足元側に動かされ、下半身は頭側に動かされます。
見た目にはお尻を中心に集まるように見えます。

体とマットレスの間には摩擦がありますから
仰臥位だと、背中側の皮膚が引っ張られてツッパリます。

この時生じた皮膚のツッパリを開放する介助が、背抜きです。

●ツッパリを発生させないよう介助するには?
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背抜きは事後処理ですね。

ツッパリは体の内部組織にダメージを与えます。
このダメージの繰り返しが床ずれ発生の原因になります。

体を動かす時は、ツッパリを発生させないよう介助することが大事です。

ところが、電動ベッドの背上げ・背下げは
ツッパリを「発生させて⇒抜く」やり方を
当然のようにしています。

さあ、ここをどう考えるか、です。

良くないことをしてたんだ、と知った今
背上げ・背下げにどんな改善策があるでしょう。

そこで、今回のシート挿入の方法です。

●スライディングシートを利用したツッパリ解放の方法
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これから説明するやり方は背下げにしか効果がありません。
背上げでは全く効果がないんです。

では、説明します。

シートの挿入箇所は、上半身とマットレスの間です。
お尻の部分までシートが乗ると体全体がずるずるずれ落ちてきますので
腰から上、枕全体がシートに乗るくらいの範囲です。

背上げをしている状態で先にシートを挿入して置きます。

この状態から背下げをしていくと
シートが体とマットレスとの間の摩擦を小さくするので
背中のツッパリ感をほとんど感じません。

ベッドに横になっている方にとって
背下げが快適になります。

背下げが完了した後も
体の位置を直すのにそのままシートが利用できます。

ただし、それが終わった後はシートを必ず引き抜き取ります。
敷きっぱなしはヘッドからの転落事故の元です。

シートを抜いたら、続いてすぐに背抜きをします。

ツッパリが起こってないのに背抜きするの?
と思わないでください。

ツッパリが防げたのは腰から頭にかけて、だけです。
お尻から足の部分ではツッパリが発生しています。

それにシートの抜き取り方が下手だと
抜き取る際にツッパリを発生させてしまいます。

ですから、シートを抜き取った後はいつもの背抜きをします。

「これじゃ仕事が増えるだけじゃない!」

そうです。増えてます。いや、
「増えてる」の表現は間違いかもしれませんよ。

やらなきゃいけなかったのにしてなかったことを
シートを使う代替え方法でするようになった、だけですから。

皮膚のツッパリは起こさないほうが良い。
でも、今のやり方は必ずツッパリを発生させていますね。

シートを挿入すれば
上半身だけは背下げ中にツッパリを発生させなくて済みます。

後は、するか、しないか、の選択だけです。

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