円背(えんぱい)の上半身ポジショニングのポイント3つ【vol.144】
円背の方が仰臥位で
安楽な姿勢でいるためのポジショニング
続きです。
上半身のポジショニングのポイント
以下の3つについて説明します。
・背中の後ろの支え
・浮いた肩と両腕の支え
・頭部の支え
▼背中の後ろの支え
ここの支えのポイントは3つ。
1)頭も同時に支える
2)脊柱の伸展を促す
3)横倒れしない安定した支え
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1)頭も同時に支える
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背中と頭を別々のクッションで支えるより
一つのクッションで同時に支えたほうが安定します。
頭も同時に支えられるクッションを使いましょう。
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2)脊柱の伸展を促す
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単に姿勢を保持するだけでなく
円背を軽減させることも配慮します。
自重で脊柱の屈曲が開くようにすること。
無理なく自然に伸展する力を働かせましょう。
胸郭を広げて、
循環器と消化器の働きを高めましょう。
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3)横倒れしない安定した支え
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安心してリラックスしても
横倒れしない安定した支えを作ります。
コントゥアーの発想を活かして
身体のカーブに沿った曲面で背中を支えます。
クッションセンターをへこませて
両サイドを盛り上げるなどの工夫をします。
▼浮いた肩と両腕の支え
背中が浮くと両肩も浮きますね。
両肩が浮くと両腕も浮きます。
浮いている部分の重さは
どこかが代わりに支えています。
それは体幹ですよね。
体幹は肩と腕の重さを支えるために筋緊張が続きます。
これではリラックスできません。
背中を支えると同時に
両肩を支え、両腕を支えることで
体幹にぶら下がる重さを解放しましょう。
出来れば、背中と頭と肩と腕を
一つのクッションで一緒に支えるのが理想です。
フィット感が良くなるのと
形が崩れにくく安定感が良いからです。
なかなかそこまで出来る市販のクッションがない中、
モルテンさんが発売している
ミントクッションEタイプは、
一つで背中と頭と肩と腕を支えることが可能です。
(宣伝してるつもりはありません^^)
多いパターンは、
背中と肩と頭を一つのクッションで支え
両腕は別のクッションで支える、ですね。
▼頭部の支え
背中の後ろの支えで使用しているクッションの「下」に
別のクッションを挿入してかさ上げして「まくら」を形成する
方法も言われていますが、
私は、
背中の後ろの支えで使用しているクッションの「上」に
別のクッション「まくら」を乗せて
頭部を支えるのが望ましいと考えています。
円背で頸椎前湾が強くなっているので
背中と首と頭のカーブが大きくなります。
ここを背中を支えるクッションで
形を沿わせるのは難しいのです。
敢えてクッションの上にまくらを乗せて
段差を設けた方がよりフィットします。
なので
クッションの上にまくらを乗せる方法を
私は選択しています。
以上。
次回は、
円背、仰臥位の下肢ポジショニングについて。
前々回、さらりと流しましたが
下肢の外転・外旋予防について触れます。