30度側臥位の支持面AとBの作り方【vol149】
30度側臥位を支える
支持面Aと支持面Bの作り方に入ります。
数回に分けてお伝えします。
今回はその第1回目です。
先ず、支持面AとBを確認します。
支持面Aは、背面を支える30度傾いた面。
支持面Bは、体側を垂直に受け止める
60度傾いた面のことです。
ポジショニングに入る前に
どのような姿勢で支持するか
求める姿勢の形をイメージします。
直立不動の姿勢をただ30度傾けたのでは
安定感はあっても快適性が無くなります。
快適性は、
体幹は少し屈曲、骨盤も後傾
股関節と膝関節も屈曲した姿勢から生まれます。
この姿勢で30度傾けた姿勢維持を目指します。
説明の便宜上、身体を三つに分けます。
1)お尻から上の体幹まで
2)お尻から下の足まで
3)頭部と上肢
それぞれポジショニングの整え方が違います。
今回は、
お尻から上の体幹までのポジショニングの
支持面AとBの作り方を説明します。
▼支持面Bを作るのが先
支持面AとBとでは、
支持面Bを作るのが先です。
支持面Bは、
30度側臥位の土台となる面です。
快適性と安定性は支持面Bの
出来・不出来に掛かっています。
支持面Bが出来たら
身体を傾けて支持面Aを整えます。
▼支持面Bを作る方法は二つある
支持面Bを作る方法は二つあります。
1)60度の角度の付いたクッションを当てる
2)マットレスの下に詰め物をして土手を作る。
1番から説明します。
▼60度の角度の付いたクッションを当てる
クッションの60度の角で
体側を垂直に受け止めます。
勘所は、クッションを当てる箇所です。
肩にはクッションを当てません。
クッションを当てる箇所は
脇の下から大転子まで。
クッションの長さにして50cm。
クッションが支えるべきは骨格です。
胸郭と骨盤と大転子にクッションが当たるようにします。
脇腹にもクッションを当てますが
強く押さないようにします。
骨格のない肉だけの箇所を強く押しても
支えの安定性に貢献しません。
圧迫と不快感が増すだけです。
脇腹部分のクッションは
肉の横流れをせき止める役目です。
クッションをどれくらい差し込むかについては
身体を30度傾けた後の
クッションの当たり具合を考慮します。
経験が必要です。
最初から深く差し込まないようにします。
体側に触れない所に離して置きます。
30度傾けた時に
クッションに程よく体側が乗る位置にします。
クッションは、体幹の屈曲に合わせ
弧を描くように曲げて整えます。
ここまでできたら次は支持面Aを作ります。
▼支持面Aの作り方
身体を傾けます。
背部にクッションを差し込みます。
30度の角度の付いているクッションを使用すれば
30度保持は簡単です。
この時もクッションを当てるのは骨格です。
支えるべき個所は、
肩甲骨と胸郭の後ろ、仙骨・骨盤の後ろです。
クッションの長さとしては
80cm程度必要になります。
体幹の屈曲を考えると
クッションは二つに分けたほうが良いですね。
肩甲骨と腰椎後ろまで長さ50cmのを一つ。
仙骨・骨盤用で長さ30cmのを一つ。
それぞれの面にクッションを当てるためには
二つの分かれていた方が当てやすいでしょう。
腰椎の後ろもクッションは必要ですが
支持面Bの脇腹同様、
支えとしては機能していないので
軽く当たっていれば問題ありません。
以上、
60度の角度の付いたクッションを当てる
はここまでです。
ここまでの所を踏まえて
既成のポジショニング用クッションで
支持面Bが上手く作れるかと言うと
多分、難しい。
ふさわしいクッションが見当たりません。
支持面B用のクッションが開発されてないんですね。
自分で工夫するしかありません。
そこで
クッションに代わる方法として2番目の
マットレスの下に詰め物をして土手を作る
方法の登場です。
私は「バンク法」と呼んでいます。
次回、詳しく説明します。