30度側臥位のバンク法【vol.088】
久々にポジショニングの話を(笑)
30度側臥位を安定させ、安楽にする
マル秘テクニックを紹介します。
バスタオルを使った方法です。
名付けて「バンク法」
(私が勝手に名付けました^^)
こちらの動画の最後の方で紹介しています。
どんなものか、一度ご覧ください。
http://youtu.be/erRc05PB8Kg
このバンク法、
車いすシーティングノウハウをヒントにしています。
これまでも言っているように
シーティングとポジショニングは基本同じものです。
ベッドでするか、車いすでするかの違い。
▼30度側臥位を安楽で快適にするには
下になる側の処理がポイントです。
ただ、背中にクッションを差し込んで
身体を傾けただけだと居心地は良くなりません。
30度側臥位が痩せた人には不向きである
と言われる理由でもあります。
その理由を少し解説します^^
手っ取り早いのは自分で体験すること。
あなたも試してみてね^^
▼斜面に物を置けば
滑り落ちようとするのは道理です。
摩擦が大きければ物は滑り落ちないで留まっています。
もし、
物が金属のような硬い物ではなく
寒天、豆腐、プリンのような
柔らかく形が動くものだったらどうなるでしょう。
例えば、プリン。
斜面に置くと形が少し流れて変形します。
この時プリン内部には歪が発生しています。
▼人も同じ。
斜面に留まっている体には歪が発生します。
これを私たちは、背中のツッパリ感や
居心地の悪さとして感じているわけです。
特にマットレスと接している脇腹では
最も強くツッパリ感と圧迫感を感じることになります。
この状態を放置していいはずがありません。
これまで放置しているケースが多かったので
30度側臥位は危険だと言ってきたわけです。
しかし、
ちゃんと処置(ポジショニング)をすれば
30度側臥位も快適で安楽な体位になります。
▼ちゃんとしたポジショニングとは何か
プリンが斜面で形を変形させないためには
プリン側面とピッタリフィットする形で
垂直に受けるしかありません。
垂直に受ければ
フィットする形で受ければ
傾けても形が流れずにいます。
圧迫は出ますが
皮膚のツッパリ感は抑えられます。
人の身体においてこれを実現するには
まず、体の流れを垂直に受ける面を作ること。
体の側面にフィットする形でです。
▼とすれば、有効に活用すべきは
マットレスです。
もともと柔らかいマットレスを使用してるはずなので
これを利用して形を変える。
つまり、
垂直に受ける曲面に加工します。
それには、マットレスとベッドの床面の間に
詰め物をしてマットレスをまくり上げるのが簡単です。
マットレスが体圧分散をして
体の局面にフィットしてくれます。
だから詰め物はなんでもいい。
動画ではバスタオルを使用していますね。
まくり上げたマットレスが体を垂直に受ける面さえ作れば
詰め物はなんでもいいんです。
実際にこのようにして30度側臥位をとると
とても心地の良い体位となります。
斜面を滑り落ちる~の感じが無くなるんです。
安心して寝ていられます。
▼他にもポイントはありますね。
身体に捻じれがない。
傾きがない、曲がりがない。
体の「アライメントを整える」と言いますね。
身体をまっすぐに整える、と言う意味です。
マットレスに詰め物をして曲面を作るこの方法は
30度側臥位だけでなく
色んな体位で応用ができます。
ポジショニングクッションを買うお金がなかったら
身近な材料でマットレスの曲面づくりに
チャレンジしてみてください。