30度側臥位安定のカギは2つの支持基底面【vol.148】
今回は、
30度側臥位ポジショニングにおける
支持基底面の整え方をお話しします。
▼ポイントは2の支持面を作ることです。
一つは、
30度傾斜のついた背面を支える支持面Aに作る
支持基底面。
もう一つは、
60度傾斜のついた体側を支える支持面Bに作る
支持基底面。
身体を箱に見立てて順に説明しますね。
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│ 身体 │
│ │
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マットレス
箱を(身体を)30度傾けます。
↓支持面A
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\ /\
\/ \
\ 身 \
\ 体 \
30度 \ /
\/
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マットレス
背中にクッションを差し込んで支持面Aを作り
傾けている状態だと思ってください。
一見安定しているように見えますね。
ですが、箱は身体です。
実際には、こんな風に変形するはずです。
↓支持面A
\
\
\/ ̄ ̄\
\ 身 \
\ 体 \
30度 \ \
\__/
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マットレス
斜面とマットレスに引っかかっているのは皮膚です。
骨格を支えるものがないため
骨格は斜面を滑り落ちようとします。
その結果、身体が変形します。
内部組織の筋肉、皮下脂肪、真皮、表皮が
引き伸ばされ、潰され、捻じられます。
「応力」の発生です。
これが不快感と床ずれ発生の元です。
この状態が安楽・快適でないのは分かりますよね。
▼支持面Bが安定・快適を生む
こうしないためには2つ目の支持面
60度傾斜のついた支持面Bが必要になります。
↓支持面A
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\ /\ ↓支持面B
\/ \ /
\ 身 \ /
\ 体 \/
30度 \ / 60度
\/
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マットレス
支持面Bは支持面Aと直角に交わっています。
30度の斜面を流れ落ちようとする骨格を
支持面Bが垂直に受け止めています。
骨格の流れ落ちを止め、
身体の変形を抑えています。
身体に変形がないと
↓
応力の発生も少なく
↓
違和感なく快適な体位になる
この流れが出来上がります。
ちなみに、この状態の時、
支持面AとBの支持基底面はそれぞれ
以下イラストのようになりますね。
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支持面A側↑ ↑支持面B側
実際には、2つの支持基底面は
離れてなくて、くっついてますけどね^^
このように30度側臥位は、
2つの支持面で支えることで安定・快適になります。
これに加えて
前回説明した身体の屈曲を加えると
更なる安定感と快適性が生れます。
次回は、30度側臥位の支持面Aと
支持面Bの作り方です。