90度側臥位、両脚のポジショニング方法【vol.097】
私が考える、
90度側臥位で両脚を揃えた方が良い理由は、次の二つ。
1)骨盤の捻じれが起こりにくいから
2)その方が体勢が落ち着くから
でした。
これによって抗重力筋以外の
余計な箇所の筋緊張が発生しにくくなり
拘縮の予防につながる、と。
あなたもベッドでこの体勢をしてみてください。
身体がどっしりと安定した感があり
リラックスできますよね^^
これが安楽で安定した体位です。
ただ、このままだと
脚の内側、特に骨ばってる箇所
膝とかくるぶしが当たるので
次の体位変換まで少なくとも2時間は放置されますから^^
何かしら床ずれ発生予防策を講じないといけない訳です。
さて、今回の本題、
両脚をどうポジショニングするか、です。
方法は2つあります。
順に説明します。
先ず、一つ目
▼脚の内側にクッション材を挟む、です。
バスタオルを折りたたんで挟む。
厚みの薄いクッションを挟む。
柔らくて、形が簡単に崩れないものなら
何でもありです。
中にビーズが入った生地が伸び縮みするクッションは
簡単に形が変化するので不向きです。
この方法で注意すべき点が2つあります。
何かしら挟んだ後に横から見て
1)上の脚が安定していること。
2)股関節が中間位になっていること。
です。
上の脚が安定しているとは、
ぐらつきがなく落ちない状態で安定しているか、です。
安定しない支えは筋緊張を招きます。
安定感を作るためには
支える面を大きくすることです。
小さいクッションやタオルを
何枚も重ねて、つなげて挟むよりは
大きい物で一気に支えることです。
股関節が中間位になっているとは、
股関節でつながった両脚を体の正面から見た時に
平行になっているか、です。
勿論、この場合、膝が曲がっている状態で見ても
両脚が平行になっている、と言うことです。
そうなるように挟む物の厚みを調整します。
次、両脚をどうポジショニングするか
2番目の方法です。
▼アイロン台に上の脚を乗せて保持する方法
アイロン台、ありますよね。
脚の短い、高さが17cm位のやつです。
脚が折りたためて軽量で
家電量販店で3980円?ぐらいで買えます。
これを使います。
どうやって使うか。
先ず、90度側臥位になり
腰と膝を軽く曲げ、両脚を揃えて体勢を作ります。
次に、上の脚を上に持ち上げて(股を開いて)
そこにアロン台をセットします。
下の脚をまたぐように置きます。
位置は、膝から足までを覆うようにします。
アイロン台の上に上の脚を乗せます。
膝から足までが乗る感じになりますよね。
両脚の形を揃えます。
この時、アイロン台のクッション性が足りなければ
何かクッション性の良い物を乗せて、その上に脚を乗せます。
アイロン台の広さを十分に活かして
太ももが少しでも乗せられるように
アイロン台の位置を調節してください。
ここまでできたら
安定感と股関節が中立位かどうかを確認します。
安定感はまず問題ないはずです。
股関節が中立位でない時は
アイロン台の脚が低いか高い時です。
低ければ、アイロン台に何か乗せて高さを作ります。
高ければ、アイロン台の脚をカットします。
この方法だとアイロン台の上に
太ももがほとんど乗らない方も出ます。
太ももの重みが骨盤に乗るのでは?
と心配される方もいますね。
確かにいくらか骨盤に掛かる重みが出ます。
それより先ず
心配する前にやってみてください^^
大きく問題視するほどではないことが
感覚的にお分かりいただけると思います。
この方法の最大のメリットは
何だと思いますか?
股間と下の脚の内側が涼しいことです。
何んも当たってないので熱がこもらない。
通気性がバツグンです。
この方法は他のところでも応用が効きますよね^^
以上です!
▼最後に
入所者に90度側臥位を取らせない
介護施設は多いですね。
先ず聞かれる理由として
・床ずれ発生の危険が高まる。
・肩を痛める。
があります。
確かにそうですね。
だからしない、とすれば短絡的すぎませんか^^
しないことで発生している問題があることを知りつつ
どっちを取るかを選択しているならまだいいですが…。