30度側臥位の下肢保持は骨盤の捻じれなく【vol.153】
30度側臥位の話です。
腰から下
下半身のポジショニングについて。
下肢サポートのポイントを3つ、挙げます。
1)骨盤の捻じれを無くす
2)膝頭を揃える
3)かかとを揃える
では、一つずつ説明します。
▼骨盤の捻じれを無くす
下半身の正面を、上半身の正面と
同じ向きを向いているようにします。
向きが違っているということは
骨盤が捻じれている状態です。
骨盤の捻じれている状態は好ましくありません。
本人にとっても不快な体位です。
骨盤の捻じれが好ましくない理由は
これだけではありません。
もし、骨盤が捻じれた状態で拘縮すれば
好ましい姿勢で座れなくなります。
骨盤が捻じれた状態で
車いすのスリグシート座面に座ると
脊柱の側弯を招きます。
座った時の膝頭を確認してください。
膝頭の位置が揃っているなら大丈夫多です。
膝頭の位置が段違いになって前後していたら
骨盤捻じれが起きている証拠です。
脊柱側弯も起きていると思ってください。
臥位の体位保持で
骨盤捻じれを放置し続けたために起こる問題です。
なぜ、骨盤捻じれが脊柱側弯を招くかは
シーティングの話の時にしましょう^^
このような状態を招かないために
骨盤の捻じれのない状態で保持します。
骨盤の30度側臥位保持は
仙骨の裏にクッションを当てて
比較的簡単に保持できます。
その時に下肢も30度傾くわけですよね。
下肢は膝関節が屈曲、
曲がっているわけなので高さがあります。
下肢を保持するにはマットレスとの成す角度
60度で支える面が必要になります。
これは、板でも段ボールでもいいので
ベッドのサイドレールに立て掛けるよう設置して
60度の壁を作ることで解決できます。
クッションである必要はありません。
60度で下肢を板に立て掛けても
たいした圧が加わるわけではありません。
座布団を間に挟めば大丈夫です。
それから、
下肢を傾けると、
上側の下肢はマットレスから浮きますので
クッションで下から支えてください。
でないと、
下肢の重量が骨盤に乗っかって
捻じられてしまいます。
上側の下肢を支える時
良い支え方になっているかどうかの指標が
膝頭が揃っているかどうか、です。
▼膝頭を揃える
「揃える」の意味は
膝頭が前後していない状態です。
膝頭が揃っていると言うのは
骨盤と膝頭が平行である証拠です。
それはそのまま骨盤捻じれはないと言うことです。
そうは言っても
上側の下肢はマットレスから浮いていますので
膝頭を揃えるには
下に挿入するクッションの挿入の仕方にコツが要ります。
下肢を支えようとするのではなく
かかとをしっかり支えることに意識を向けると
膝頭を揃えることは簡単です。
▼かかとを揃える
かかとを揃えるには、早い話
30度角度の付いたクッションに
両足を乗せればいいんです。
上半身同様、30度傾いた面に両足が乗れば
下半身も30度傾きますよね。
こうすれば膝頭は揃い、骨盤の捻じれは起こりません。
ただ、これだけだと
かかと・仙骨に圧が集中しますので
下腿、大腿を支えて圧分散をします。
以上、
30度側臥位での下肢ポジショニングでは
これら3つのポイントを押さえましょう!