圧抜きする【vol.138】
仰臥位、下肢のポジショニングです。
これが三回目。
前回のおさらいをしましょう。
クッションに脚を乗せたら
脚を軽くゆすって馴染ませる。
脚をゆする意味は二つ。
1)クッションと皮膚を馴染ませて感触を良くする
2)安定した支えがあることを相手に伝える
下肢の筋緊張が緩んでいるか。
リラックスしているか。
揺らした時にこわばりが感じられるのは
筋緊張が緩んでいない証拠。
支え方云々の方法論よりも大事なことは
筋緊張を緩めること。
下肢を支える上で配慮すべきポイント3つ。
1)下腿と大腿を一つの広い面で支えること
2)段差のない滑らかな面で支えること
3)ぐらつかない安定感があること
そして下肢のサポートに適した
クッションを二つ紹介しました。
1)いかだのようなクッション
2)面積が広く厚みのあるクッション
前回はここまででした。
では、今週のテーマに入ります。
▼圧抜きで心にリラックスを与える
ポジショニングを実施した後の
感触をより良くするためにも
もうひと手間、介助を加えます。
「圧抜き」(あつぬき)と言う介助です。
「圧抜き」介助ですることは3つ。
1)クッションのシワを伸ばす
2)着衣のシワを伸ばす
3)皮膚のツッパリを取り除く
全ては皮膚の感触を良くするため。
快適にするためです。
快適さは身体だけでなく精神にも影響を与えます。
圧抜きで心にリラックスを与えるとは
大げさな表現ですか(笑)
大げさでも何でもありません。
圧抜きされると相手の方は
マッサージを受けたような気分を味わいます。
心身ともにリラックスできるんです。
上手い圧抜きをされたならの話ですけどね(笑)
圧抜きは脚をゆすっただけでは取り除けない
微妙な違和感を解消できます。
身体も気分もリラックスできて
筋緊張も緩みやい環境を生み出します。
背抜きと似ているんですよね。
圧抜きをする理由は。
方法も背抜きと似ています。
だけど、
圧抜きと背抜きは
行われるシーンが違うので
違う呼び方のままが分かりやすいと思う。
▼圧抜きの方法は
介助グローブを両手にはめて
クッションと着衣の間に手を挿入して
脚を手のひらで撫でます。
太ももの付け根からかかとに向けて
一方向にすーっと撫でます。
脚を持ち上げたりはしません。
滑らせるように手を挿入して撫でます。
手の形はVの字のようにします。
親指と他の4本の指でV字にします。
指先が触れないよう伸ばした状態で撫でます。
指先が触れると「掴まれている」嫌な感覚を
相手に与えてしまいます。
参考までに介助グローブを使った
背抜きの方法を解説した動画を貼っておきます。
圧抜きの要領はこちらをご覧ください。